B2B小売販路の最適化

ダノン社がSalesforce Consumer Goods Cloudを導入し、自動化の促進や管理の軽減、データ主導の意思決定へと移行した方法をご紹介​します。​

B2B小売販路の最適化を実現できるのは、消費者ジャーニーを一番良く知っている従業員である営業担当者です。 

売上の拡大、従業員満足度の向上、顧客との接触時間の伸長。今回のブログでは、消費財メーカー(英語)のダノン社が、自動化の促進や管理の軽減、データ主導の意思決定への移行をどのように実現させ、その効果を得ることができたのかを見ていきます。

 

従業員体験を優先し、B2B小売業売上高を最大化する

新型コロナウィルスのパンデミックによって、消費者への販売がどのように変わったのかは周知の通りです。小売業者は新たな購買活動に適応するために、迅速かつ革新的に対応してきました。そして今度は、小売業者に販売する消費財メーカーがこれに追いつく番です。

B2B営業では、営業担当者がより積極的かつ長期的な役割を担う傾向にあります。これらのチームの強化が、B2B小売チャネルの最適化を図るための鍵となります。「パンデミックを経験し、多くの人が自身の優先事項を見直しています。従業員に適切な体験をさせていない消費財メーカーでは、営業スキルを引き寄せ、維持することが難しくなります。」こう説明するのは、SalesforceのEMEA消費財業界担当のリーダーであるPamela Wolf氏です。

従業員が使用するプラットフォームは、日々の体験の質を左右する重要な要素です。昔の営業担当者は印刷物に大きく頼り、時間がかかる調査を行って顧客とのミーティングに備え、有意義なやり取りを確保しようとしていました。 

手作業によるアプローチは非効率的なだけでなく、仕事のやりがいにも影響します。担当者は、退屈な管理業務に縛られることなく、顧客と向き合い、価値を高めることを望んでいます。”

Pamela Wolf

デジタル変革がダノンのB2B小売を後押し

消費財メーカーが従業員体験と売上の両方を最大化するために必要なのは、統合型プラットフォームと自動化の促進、そしてデータにもとづいた意思決定の有効化です。

国際的な企業であるダノンは先頭に立ち、Salesforce Consumer Goods Cloudを利用した大規模なデジタル革新に着手しています。 

この改革は、Salesforceとパートナーとともにフランスで始まりました。デジタル改革の推進により、営業担当者の効率性が改善されました。また営業担当者は顧客に付加価値をもたらすことができるようになり、売上の向上にもつながりました。実際にダノンは、プロジェクトの導入から6か月で65,000SKUを棚に追加し、訪問者数を35%(+40,000)増加させることに成功しました。

 

優先項目と実施項目を調整し、今まで以上に顧客に重点を置く

ダノンはチルド乳製品と植物由来の製品、&ウォーター、専門栄養食の3つの主要な事業分野を有しています。また、EvianやVolvic、Aptamil、Alproといった有名なブランドを展開しています。同社の顧客はヨーロッパをはじめ、世界中の大手スーパーマーケットやコンビニに足しげく通っています。いわば病院や薬局に通うのと同じような頻度です。

ダノンは、世界各地の主要なマーケットに営業チームを置いています。この営業担当者は皆、できる限りの時間を顧客と対面で過ごしたいと熱望しています。重要なのは、管理業務やミーティングの準備、顧客とのやり取りを、可能な限り効果的に行うことです。 

顧客中心主義は私たちの主要な注力分野の一つですが、優先順位と実行が一致していませんでした。フランスの販売業務では、営業が効率的に仕事をするための適切な支援をするツールがありませんでした。”

Cedric Rubod, Global Customer Director at Danone

SalesforceのConsumer Goods Cloudを活用したB2B小売業務の改革

ダノンはSalesforce Platformを使用し、社内で「DanForce」と呼ばれる営業プラットフォームを構築しました。B2B担当者に向けた小売業務の改革を実施したのです。

どんなビジネス変革においても、プロジェクト成功の鍵となるのは、効果的な変更管理(英語)です。「適切な変更管理の重要性を過小評価してはいけません」とRubod氏は言います。「ビジネス変革には、単純に製品を購入すること以上の意味があります。」 

Salesforceの導入は、プロジェクトのリスクを軽減し、全員が参加できるようにし、導入を最大化するためにグローバルの変更管理戦略に基づいて行われました。”

Cedric Rubod

顧客と接する時間を1日90分確保する

Salesforce Consumer Goods Cloudのデータモデルを活用することで、ダノンは担当者の効率性を大幅に改善しています。たとえばこのソリューションでは、特定のKPIにもとづいてアカウントの区分や優先順位付けを行います。そして、あらゆる現場訪問で最大の効果が得られるよう慎重にスケジュールが組まれます。

モバイルアプリはルート選定の手助けをしたり、担当者がミーティング準備に必要な情報をすべて提供したりします。またチェックリストも提供しており、もっとも重要なタスクや現場での顧客との会話を確実に終えることができます。 

「Salesforceのおかげで、平凡な管理業務を自動化することができました。そして営業担当者は、付加価値のあるタスクに集中することができるようになりました。」とRubod氏はコメントしています。「実際に我々は、1日あたり90分に相当する効率化を実現しました。つまり、各担当者はより多くの訪問を行い、より長い時間を顧客と過ごせるようになったのです。」

Salesforceの分析やスコアカード、そしてパフォーマンス監視といった機能は、ダノンが体験重視の意思決定からデータ重視の意思決定に移行するのに役立っています。将来的にはマーケティングインサイトのような外部データを統合し、営業担当者は顧客とこれを共有できるようになるかもしれません。これは、顧客が多くの情報をもとに購入の意思決定をする際にも役立つでしょう。

 

効果の高いB2B販路として、オンライン営業を採用する

DanForceでは、以下の機能も提供しています。 

  • 店舗の製品と資産のポートフォリオ管理

  • 在庫監査の把握、および顧客に関するあらゆる角度からの情報の提供

  • 営業チームとサービスチームの簡略化したコラボレーション

モバイアプリを利用すると、顧客が望む場合は店内にいる間に注文を取り込むのが容易になります。そのためダノンで、は現在のトレンドに合わせてオンライン注文へと移行し始めています。Gartner社の調査「Future of Sales」(英語)によると、2025年までに、B2Bにおけるサプライヤーと購入者間の営業活動の80%がデジタルチャネルで行われるようになるといいます。

「B2B営業において、オンラインチャネルへの移行が進んでいます。」とWolf氏はコメントしています。「ストアマネージャは自分のタイミングで注文を完了することができ、推奨エンジンは製品の認知度を向上させることができます。また、オンラインチャネルでは、注文額が増えています。これに加え、営業担当者は制限から解き放たれ、顧客と有意義な会話を交わすことができます。」

CRMやモバイルアプリからEコマースサイトまで、適切なプラットフォームをB2Bの営業チームに提供することで、消費財メーカーは小売業界の顧客に応え、売上を伸ばすことができます。またこれらは、従業員体験を改善することができ、優秀な営業担当者の獲得と維持にもつながります。
 

Salesforce Consumer Goods Cloudを活用し、従業員体験のステップアップや売上の拡大を実現する方法をご確認ください。