Connections 2022：Marketing CloudとCommerce Cloudの新しいイノベーション

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マーケティング分野とコマース分野における新しいビジネス環境

現在は多くの企業が、「より少ない人数でより多くの業務を行う」というプレッシャーに直面しています。現在の厳しい労働市場に対処し、消費者の高い期待に応えながら、こうしたプレッシャーに対応する必要があります。

しかし、データプライバシーに関する規制の変更により、消費者の期待に応えてパーソナライズされたエクスペリエンスを提供することが難しくなっています。また、クッキーの廃止が間近に迫っているため、企業は、お客様との関係やパフォーマンスの測定方法を見直す必要があります。

しかし、悪いことばかりではありません。お客様が同意の上で提供するゼロパーティデータやファーストパーティデータを使用して、お客様との間でより強固な関係を築いている先進的な企業も存在します。こうした企業は、マーケティング、コマース、サービス、ロイヤリティなどに関するデータをお客様から直接入手し、パーソナライゼーション、お勧め商品の提案、迅速なサービス提供などを行っています。

これは、すべてのお客様にとってメリットがあることです。

Salesforce は Connections 2022で、これを実現するための Marketing Cloud と Commerce Cloud 向け Customer 360 の新機能 を紹介しました。この記事では、Customer 360の新機能とそのメリットについて説明します。

Marketing Cloudカスタマーデータプラットフォームの新機能

• Google広告機能
  この機能により、Googleとの戦略的パートナーシップが拡大され、Salesforceのカスタマーデータプラットフォーム（CDP)と Google広告との間でファーストパーティデータが自動的に相互運用されます。
  CDPの統合顧客プロフィールを Google広告機能に接続することにより、プライバシーに配慮した広告キャンペーンを展開し、ユーザーの興味に関するセグメントレベルの新しいインサイトを取得して、スマートな方法でセグメンテーションとプランニングを行うことができます。この新しい Google広告機能の正規版（GA）は、今後数か月のうちにリリースされる予定です。

• AppExchange
  顧客プロフィールを拡張しながらプライバシーを確保するための新しい各種アプリケーションと、さまざまな企業とのパートナーシップ（Annalect、Acxiom、Criteo、LiveRamp、MediaMath、MetaRouter、Neustar、Nine Digital、Streamlytics、The Trade Desk、Yahoo、WPP Resolve）を通じた広告表示により、Salesforce CDPエコシステムが拡張されました。

   

Marketing Cloudの新しいパーソナライゼーション機能とエンゲージメント機能

• トリガーキャンペーンメッセージ
  Marketing Cloud PersonalizationとJourney Builderを連携させるこの新機能により、新しい製品カタログと動作トリガーに基づいて、パーソナライズされたジャーニーをリアルタイムに実行することができます。

  たとえば、お客様が好きな商品について、入荷情報、セール情報、有効期限情報、類似商品の新発売情報を自動的に表示するなど、複数のマーケティングチャネルでお客様に対するエンゲージメントを自動的に実行することができます。

• 条件付きアクション実行機能
  Marketing Cloud Account Engagementでは、見込み客を各セグメントに振り分けるためのルールを設定し、マーケティングジャーニーとセールスジャーニーを自動化できるようになりました。

  たとえば、ランディングページのフォームに情報を入力したユーザーに対して、新規の見込み客なのか、既存のVIP顧客なのか、イベントやウェビナーに参加したユーザーなのかに基づいて、パーソナライズされたエクスペリエンスを表示することができます。自動アラート、メール通知、Slack通知により、VIP顧客用のウェルカムキットでフォローアップを行うなど、適切なタイミングで適切なアクションを実行することができます。

   

Marketing Cloud Intelligence の新機能

• Intelligence Ecommerce Marketing Insight App 
  すぐに使用できるインタラクティブなダッシュボードを使用して、プラットフォーム間でコマースデータとマーケティングデータを接続して可視化することにより、予算に合わせて効率的に作業を行うことができます。
  
  このアプリでは、Intelligence Connectors for B2C Commerce Cloudと各種のコマースプラットフォーム（Amazonなど）を使用して、注文データや商品データがキャンペーンデータに関連付けられます。これにより、高い精度で費用の配分や調整を行い、投資収益率（ROI）を向上させることができます。このアプリの正規版は、2022年10月にリリースされる予定です。

Marketing Cloud Summer '22 リリース

• 新しいMarketing Cloudには、企業ブランドのハイパーパーソナライゼーション（大規模での1 to 1の関係）を促進するための各種機能が導入されています。Summer ’22リリースの新機能とそのメリットについて、Marketing Cloudの6つの新機能でパーソナライゼーションを強化する方法（英語）を確認してください。

   

Slackの新機能

• Slack 用デジタルコマンドセンター
  Slack のデジタルコマンドセンターで、Marketing CloudとCommerce Cloudの自動化、統合、プロセスのアクティビティとパフォーマンスを追跡することにより、重大なアラートを未然に防ぐことができます。
  
  これにより、技術的な問題が発生した場合に、キャンペーンが重大な影響を受ける前に不整合を特定し、ビジネスに対する悪影響（収益の損失やオプトアウト率の増加など）を回避することができます。この機能の正規版は、2022年9月にリリースされる予定です。

次世代型Commerce Cloud

以下の新機能により、あらゆるタッチポイントを収益機会に変えることができます。

• Commerce Marketplace：この機能により、Commerce Cloud 上でマーケットプレイスソリューションの作成、管理、拡張を迅速に行うことができます。カートサイズの拡大、コミッションの獲得、ベンダーからの会員制サブスクリプション収益の受け取りにより、収益の拡大を促進することができます。この機能の正規版は、2022 年 9 月にリリースされる予定です。

• Commerce for Customer Service：サービス担当者はこの機能を使用して、各チャネルの注文履歴をさまざまな角度から確認することができます。また、商品の返品、交換、プロモーションに関するツールも用意されています。この機能の正規版は、すでにリリースされています。さらに、すべての店舗と配送センターの在庫を確認し、お客様に代わって注文を行うことができます。これらの操作は、すべて 1 つの画面で行うことができます。

• Seamless Commerce：この機能は、コマース、注文管理、決済を処理するためのオールインワンソリューションです。パートナーサービスに対応しているこの機能を使用して、時間とコストを削減し、目標とする投資収益率（ROI）を短期間で達成することができます。この機能の正規版は、すでにリリースされています。

• Better Social Discoverability：この機能を使用して Commerce CloudとTikTokを統合することにより、TikTok上で自社ブランドをアピールすることができます。この機能は現在、パイロット版として提供されています。この機能は、スマートな商品フィード自動化機能と、ワンクリックで簡単に設定できる、カタログに対応した各種の広告ソリューションから構成されています。また、TikTok Pixelにより、広告パフォーマンス分析機能が改善され、新しいお客様を獲得するための動的な動画広告機能とコレクション広告機能が導入されています。

   

新機能のメリット

これらの新機能を使用して次世代型のマーケティング活動とコマース活動を展開することにより、お客様との良好な関係を構築し、収益を拡大することができます。ここでは、これらの新機能のメリットをいくつか紹介します。

• 製造メーカーのサービス担当者は、サービスの提供時にお客様の反応をリアルタイムで確認し、適切なサードパーティ製品や自社製品に付属する適切なサービスを提供することにより、それぞれのお客様に合わせたエクスペリエンスが実現します。

• 医療保険企業は、お客様に対してアンケートを実施し、その回答に基づいて適切な商品をタイムリーに提案することにより、生産性と収益性を向上させることができます。

• 金融機関の顧客管理担当者は、お客様の信用履歴、口座情報、過去の顧客対応情報などを、単一の統合プロフィールで確認することができます。また、各種のキャンペーンやお客様のニーズに基づいて、新しいクレジットカードを提案することができます。

• 小売企業は、それぞれのお客様にとって最も魅力的な商品を特定し、自社の Eコマースサイトにリンクされたキャンペーンと特定のソーシャルメディアに対して商品カタログを自動的に同期させることにより、お客様との関係を強化することができます。

パーソナライズされたエクスペリエンスの作成、進化するトレンドへの対応、マーケティング戦略の策定などについては、ハッシュタグ「#MomentMarketers」を参照してください。この記事を参考にして、お客様との良好な関係を構築してください。お読みいただき、ありがとうございました。

Connections ’22 のオープニング、Marketing Cloud、Commerce Cloud の動画（すべて英語）で、すべての新機能を紹介しています。Connections ’22の基調講演は、Salesforce+ でオンデマンド視聴することができます。また、次世代型 Marketing Cloud のメリット（英語）と、Trailhead でマーケティング担当者としてのキャリアを伸ばす（英語）も確認してください。

ここまでご紹介したとおり、今年6月に米国シカゴで開催されたイベント「Connections」では、最先端のマーケティングテクノロジーについて詳しく解説しただけでなく、世界中からマーケティング、コマース、デジタルの専門家が集結し、最新の業界トレンドやベストプラクティスが紹介されました。この人気イベントで語られた最新情報やエッセンスを日本のお客さまにお届けすべく、8月にオンラインイベント「Connections to You」を開催いたします。

シカゴで紹介された海外事例やトレンドはもちろん、日本の先進事例や特別セッションも数多くご用意しています。この機会にぜひ、ご参加ください。

Lidiane Jones

Salesforce デジタルエクスペリエンス担当 EVP 兼 GM

Lidianeのチームは、優れたカスタマーエクスペリエンスの提供、持続的なロイヤルティの促進、ビジネスの成長に取り組む Salesforce のお客様をサポートしています。約 20 年にわたって実務経験を積んできたLidianeは、チームを主導しながら、機械学習、企業規模の拡大、ユーザーの生産性に関する製品を市場に投入してきました。熱心な読書家でもある Lidiane は、技術、経済、リーダーシップ、政策決定など、さまざまな分野について学習を続けています。

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