「営業の業績がなかなか伸びない」という悩みを多くの企業が抱えています。これは
などの営業プロセスが一連の活動として統合されていないことに起因します。今回は営業活動で継続的に成果を上げるための「セールスイネーブルメント」について解説するとともに、Salesforceを使った具体的なアクションプランと成功事例を紹介します。
セールスイネーブルメントとは、営業チームがより速く効率的に販売するのに役立つテクノロジーでありコンテンツです。もとはアメリカのマーケティング業界で注目を集めていたキーワードでしたが、働き方改革で生産性の向上が必須となったことやDX化の推進などから日本でも注目を集め始めています。ここではセールスイネーブルメントの4つのメリットを紹介します。
セールスイネーブルメントは社内コストの削減につながります。営業プロセスが分断された状態では
など無駄なコストが生じています。セールスイネーブルメントで営業プロセス内の無駄をそぎ落としていくことで、社内のコストの削減が可能となります。
セールスイネーブルメントによって業務の属人化を解消できます。教育の観点を例にあげると、現場のOJT任せになっていたり、OJT担当者によって教育レベルにバラつきが出ることがあります。この部分をうまくセールスイネーブルメントすることで属人化から脱却が可能です。
顧客ニーズを適切に管理し、複雑な顧客ニーズに対応できるようになります。顧客情報が分散し分析ができていない状況では、顧客のニーズを取り逃してしまい適切なアプローチができません。セールスイネーブルメントをおこなえば、複雑な顧客ニーズにも対応ができるようになり営業成果の最大化が可能になります。
セールスイネーブルメントは自社の勝ちパターンを発見することに役立ちます。勝ちパターンは既存顧客へのアプローチのみではなく新規顧客開拓にも有力です。勝ちパターンがわからないまま戦略立てをおこなうと的外れなアプローチになりがちです。
次に、セールスイネーブルメントを推進し営業成果を最大化するために効果的なツールを4つ紹介します。
Email Studioは、さまざまなデータを活用し顧客に適切なアプローチができるメールマーケティングソフトウェアです。読者データを管理しメールマーケティングにおけるパラメータを分析することで、顧客への効率的なリーチを達成できます。
Interaction StudioはAIによる機械学習が最適な接客管理をおこなう接客管理ツールです。商品やコンテンツのビジネス背景を理解して顧客を識別し、より精密なペルソナを作成することで的確な接客アクションを提案します。接客施策のテスト・分析も可能なためPDCAを回すのにも適したツールです。
PardotはBtoBにおけるさまざまな業務を自動化できるツールです。ランディングページをテンプレートから簡単に作成できたり、SEM・SEOを統合しコンテンツのROI判断ができたりするなど、非効率な手間をそぎ落としマーケティング業務を効率化します。
Customer 360 Audiencesは顧客データの統合・連携が可能な顧客データプラットフォームです。チームやデバイス、システムごとにバラバラになっているデータを統合・連携することで正確な顧客データを作成できます。適切に顧客データを管理できることでマーケティング成果の最大化につながります。
Salesforceを使いセールスイネーブルメントの取り組みに成功した具体的な事例を3社紹介します。
America Express社はSalesforceのCustomer Success Platformを利用して顧客の決済処理情報を取得。営業担当者間でのリアルタイムコミュニケーションを実現しました。営業担当者が顧客情報をリアルタイムに共有することで顧客に対してより魅力的な提案をおこない、卓越したカスタマーエクスペリエンスを提供しています。
株式会社LIFULLは、Salesforce Einsteinを活用して顧客の退会阻止や売り上げ向上につなげています。過去の退会データから解約に影響しそうな要素を抽出しSalesforce Einsteinに取り込むことで、退会の主要因であったROIの改善をおこないました。退会リスクの高い顧客を抽出できるようになったことで、先手先手でサポートができる環境を整えています。不動産業界に機械学習を取り入れる事例は少なく、株式会社LIFULLの成功事例は不動産業界に革新をもたらすものです。
Mipox株式会社では、Salesforce Cloudを利用して営業の行動・意識改革をおこない、成約数を3年で3倍以上に伸ばしています。Salesforce Cloudへの情報入力を徹底することに時間はかかったものの、情報入力が徹底されてからは営業の行動が完全に可視化されました。営業の行動が可視化されたことで成約可能性による営業の判断が可能となり、営業活動が大幅に改善しました。
また長期間コンタクトを取っていない顧客がいる担当者にはアラートが飛ぶことから営業担当者の意識改革にもつながっています。このような営業の活動・意識改革により、導入初年度下期135件だった商談数が3年後には531件、成約数は43件から132件と3倍以上の成長を果たしました。
ここでは、セールスイネーブルメントを理解する上でおすすめの書籍を2冊紹介します。
セールスイネーブルメントの意味や具体的な導入の方法が記載されています。企業の規模やセールスイネーブルメントのフェーズごとのアプローチ方法がわかるため、営業組織の見直しを考えている組織や担当者におすすめの書籍です。
DX時代の営業に触れたうえでセールスイネーブルメントの必要性が述べられており、現代に則した実践的なセールスイネーブルメントが理解できます。多くのデータをもとに解説がなされているため、営業組織を改善するうえで多くの学びが得られる書籍です。
今回はセールスイネーブルメントについて解説するとともに、Salesforceを使った具体的なアクションプランと成功事例を紹介しました。セールスイネーブルメントは「営業チームがより速く、効率的に販売するのに役立つテクノロジーであり、コンテンツ」であり、日本で働き方改革やDX化の流れのなかで注目を集めているキーワードです。
などのメリットを得られます。ぜひSalesforceのツールを活用し、効果的なセールスイネーブルメントを実現しましょう。セールスイネーブルメントについて、社内の具体的な状況と照らし合わせて導入を検討したいという方は、Salesforceのセミナーに参加することもおすすめします。