「デジタルチャネルの収益力が増している」、「顧客はさらなる透明性を求めている」、「仕事はテクノロジー主導になりつつある」という3つ事実が明らかになりました。

世界のビジネスモデルは今、根本的に変わろうとしています。先進的なブランドはデジタルファーストの顧客対応を導入し、ユーザーとつながるチャンネルを増やし、データの力を活用して(英語)高度にパーソナライズされた体験を生み出しています。さらに、あらゆる状況でイノベーションに取り組み、共感と柔軟性を大事にしながら顧客に対応しています。

Salesforce Researchは、企業がデジタルファースト体験をどのように最適化しているか詳しく調べるために4種類の調査結果から得たデータを分析しました。

ここでは、マーケティング、コマース、サービス分野の担当者にとってもっとも参考になる分析結果をご紹介します。

 

56%の企業は、今後3年以内に収益の大部分をデジタルチャンネルから得ることになると予想している

デジタルファーストのカスタマーエンゲージメントは、すでに生活に浸透しています。2020年は、多くの顧客が必要に迫られてオンライン体験を導入せざるを得ませんでした。ところが、今や対面サービスが再開されたにもかかわらず、多くがデジタル環境でのやり取りを望んでいます。68%の顧客は、パンデミック収束後も生活必需品をオンラインで購入すると回答しており、将来的にデジタルエンゲージメントが実店舗の対面サービスより優先されることが予想されます。

オンライン活動の増加により、マーケターやカスタマーサービス担当者は、ターゲット層に対する理解が深まり、さらにパーソナライズされたやり取りが可能になります。また、イノベーションを進めて新たな方法で顧客とつながるなど、ブランドのつながり方に対する顧客の期待も高まっています。たとえば、78%の顧客は、企業が製品やサービスの新たな提供方法(従来の対面型の体験のデジタル版など)を用意するべきだと考えています。また、83%の顧客は、柔軟な出荷・支払いオプション(オンライン注文、店頭受け取りなど)を期待しています。

顧客の期待にできる限り応えるために、デジタルリーダーは、比較的最近登場したとされるチャットボットやセルフサービスツールなど、新たなエンゲージメントチャネルの導入を進めています。ソーシャルメディア、動画、デジタル広告は、3つのもっとも一般的な顧客へのアプローチ方法となりました。そのため、デジタルファーストのマーケティングツールキットを実装する価値が明確になりつつあります。

 

86%の顧客は、自分の個人情報の使用方法について透明性を高めてほしいと考えている

80%の顧客は、ブランドが提供する顧客体験は、そのブランドの製品やサービスと同じくらい重要だと答えています。世界のデジタル化が進む中、企業は、顧客の行動や好みに関するインサイトを得る新たな機会を見出しています。非常に革新的なデジタルリーダーは、こうした顧客データを利用(英語)して、一貫性、利便性、共感力の高いブランド体験を提供しています。ただし、データを利用することにも課題があります。

GoogleやAppleなどの企業がサードパーティCookieの使用を制限したため、顧客体験をパーソナライズするにあたってリーダーは既知のデジタルIDへの依存度を高めざるを得なくなりました(英語)(メールアドレス、ソーシャルID、取引データなど)。マーケターも、顧客のデータプライバシーの懸念に対処しなければなりません。データ使用の透明性を求める顧客の声はますます高まっていますが、ブランドが自分のデータをどのように収集、保存、使用しているかを把握している顧客は27%に留まります。その結果、60%以上のマーケターは、顧客のプライバシーを守るために規制や基準を上回る取り組みを進めていると答えています。

 

83%のマーケターは、今後自分たちの仕事がパンデミック以前よりもテクノロジー主導になると回答している

パンデミックは、顧客エンゲージメントに大きな変化(英語)をもたらしましたが、チームや組織の運営方法(英語)にも変化を与えています。在宅勤務、渡航制限、不十分なコラボレーションツールは、組織の構造とプロセスにおける非効率性を浮き彫りにしました。50%以上のサービス担当者(英語)は、パンデミックの影響により、テクノロジー、ポリシー、プロトコル、スタッフのスキルなどの能力において、中程度あるいは大きな弱点が明らかになったと回答しています。

デジタルリーダーは、組織によるテクノロジーの利用方法を見直すことで、運営効率を高めて、顧客のニーズをより効果的に満たそうとしています。企業がデジタルファースト戦略を導入する中、これが意味するのは、マーケターは職務に必要なテクニカルスキルを再評価し、企業は組織構造を見直して運営を最適化しているということです。

レポートでさらに詳細なインサイトやトレンドを確認するには、「デジタルトレンドレポート」をダウンロードしてください。

 

 


 

Salesforce.comのチーフ・デジタル・エバンジェリスト。前職はExtreme Networksの最高マーケティング責任者でした。それ以前は、Enterasys NetworksのCMO兼最高顧客責任者として、グローバルなマーケティングとカスタマーサービスおよびサポートを担当していました。

Valaのほかの記事 (英語)