マーケティングに効果的なプロモーション戦略とは?おすすめの戦略をご紹介します。

顧客の関心をめぐる競争は、かつてないほど激しさを増しています。Salesforceの最新版マーケティング最新事情レポートによれば、84%のマーケターが、顧客の期待に応じてデジタル戦略が変化していると答えています。幸い、適切なヒントに沿った販売促進活動とパーソナライズを行えば、顧客の関心を引くことは可能です。

2021年第2四半期の購買指標(英語)によれば、歴史的に見て低い水準にある割引額に比べて、平均注文額は高い状態です。今日の購買者は、質の高い体験に対しては多くのお金を使います。

定義上、販売促進活動とは消費者の需要を喚起し、売上を増進するために、あらかじめ定められた期間内に行われる活動であり、潜在顧客に、自社との取引を選択するよう追加の動機付けを行うことです。

 

 

販売促進活動は、潜在顧客に自社製品の購入やサービスの契約を促す上で非常に効果的です。うまくいけば短期的な売上増加、新規顧客の獲得、好意的なオンライン評価の促進、リピート購入の増加を期待できます。ブランドがシーズンごとにセール期間を設け、ホリデー商戦が年中行事となりつつある(英語)現在、販売促進活動の重要性はさらに増しています。

問題は、あまり販促をやりすぎると顧客の反応が鈍くなることです。顧客には、割引や特別価格、1つ購入すると1つ無料になるセール、フラッシュセール、無料配送などのマーケティングメールが日々多数送られてきます。その結果、消費者は情報に圧倒され、メールを無視したり、購読解除したりすることもあります。

 

"期待に応えることができなければ顧客を失い、否定的なレビューが増え、ブランドの評価は下がります。"

 

顧客は商品の品質だけでなく、パーソナライズされた質の高い体験を求めています。期待しているのは、自分に合った商品やサービスであり、企業から1人の人間として理解されているという実感です。

買い物客や見込み顧客は、カスタマージャーニー全体で個人に合わせたきめ細かい顧客エンゲージメントを望んでいるため、マーケターは、既存の枠組みを越えた対応を迫られています。期待に応えることができなければ顧客を失い、否定的なレビューが増え、ブランドの評価は下がります。

 

販売促進活動の基本戦略

顧客が、試用期間、割引、特別セール、無料配送、ノベルティグッズ、会員特典、デジタルクーポンなどをきっかけに商品を試すという第一歩を踏み出し、商品に満足すれば、さらに追加の購入を決断してくれます。

顧客を獲得し、売上を伸ばし、評価を高めるための定評のある方法が価格の割引です。Salesforceが12,000人の消費者を対象に2021年に行ったアンケート調査(英語)によれば、85%のベビーブーム世代が、会員特典の中でもっとも価値があるのは割引だと答えました。割引は、初めてのオンライン注文など、カスタマージャーニーの特定の段階や、シーズンセールや年末商戦などの特定期間に限定して行います。または「全品20ドル以下」などの特別価格や1つ購入すると1つ無料になるセールなどのやり方もあります。

 

メール購読者を増やす

消費財メーカーのWebサイトで頻繁に見られる販売促進戦略は、「割引ルーレット」や「賞品ルーレット」です。サンディエゴに本拠地を構えるBlenders Eyewear(英語)は、この手法を効果的に導入しています。顧客はカジノのスリルを味わうことができる一方、企業はメール購読者を増やすことができるメリットがあります。

 

顧客ロイヤルティを高める

短期的な売上アップではなく既存顧客の保持を目的にしているのであれば、ポイントカードの導入が効果的です(英語)。ポイントカードは、割引セールのように即座に満足感を得られるわけではありませんが、リピート顧客には魅力的です。McKinsey & Companyによれば、75%の米国消費者が(英語)パンデミックによる経済変動、閉店、優先順位の変化などにともなって、新しい購買行動を見せています。

 

クーポン券

クーポン券もテクノロジーによって大きく変化した販売促進ツールです。メールやテキストメッセージを使って顧客に直接送付し、メールマガジンの購読を促し、既存の購読者に特典を与える目的で用います。または、顧客の閲覧履歴や購入履歴にもとづいてパーソナライズしたクーポン券を発効し、購入途中で離脱した消費者に注意を促すために使うこともできます。

 

ギフトやサンプル

新商品を導入する際は、コストコの手法が参考になります。店舗でサンプルを配布したり、オンラインの商品に同封しましょう。サンプルの配布は、健康・美容商品や香水、食品などで効果的です。特定の商品を購入した人や、一定の金額以上を購入した人にギフトを進呈すれば、決断を後押しし、購入金額を増やす効果があります。。

 

成果を上げるコツ

消費者や取引先企業の興味を引くには、次の6つの要件を満たした販売促進戦略を実施することが重要です。

 

1.適切なターゲットオーディエンスを設定する

 

マーケティングキャンペーンの難しさは、ロイヤルカスタマーになりそうな人々を対象にできるかどうかという点にあります。多くのマーケターは、幅広い層にアピールすることで、一定の割合の顧客を得ようとします。たくさんの見込み顧客にアプローチすることで、その一部をコンバージョンする戦略です。そのうちのさらに一部の人たちがロイヤルカスタマーになります。

しかし、この戦略は効率がよくありません。購買まで踏み切るのはごく一部にすぎず、初期投資を回収できるとは限らないからです。代わりにあらかじめオーディエンスを絞り込んでおけば、有限なマーケティングリソースを効率的に活用できます。

 

 

"販促活動に適したオーディエンスの特徴をつかむには、まずは既存顧客のことを深く理解しなければなりません。"

 

同じことは販売促進キャンペーンにも当てはまります。販促活動に適したオーディエンスの特徴をつかむには、まずは既存顧客のことを深く理解しなければなりません。顧客に簡単なアンケートを送付し、彼ら自身について回答してもらいましょう。時間を割いて個人情報を共有してもらうにはインセンティブの提供が有効です。

自社製品やサービスを利用する層の特徴を把握したら、次に自社製品やサービスがどのような問題の解決に役立っているのかを割り出します。自社製品やサービスに強い関心を持ちそうな人々に販売促進活動を集中しましょう。

 

2.測定可能な目標を設定する

 

何を販促活動の最重要目標にするのかを考えてください。

●      新規顧客の獲得か、それとも既存顧客の維持(英語)か。

●      購買回数の増加か、それとも1回の平均購入金額の増加か。

●      売上の落ちるシーズンや時間帯の売上を伸ばしたいか。

●      離れていった顧客の関心を喚起したいか。

今回の販売促進活動で達成したい目標を明確化し、達成が難しいけれども不可能ではない目標値を具体的に掲げましょう。こうすることでキャンペーンの成否を正確に判定でき、どこを修正しどこを伸ばせばよいのかがわかります。

 

3.在庫を限定する

 

行動心理学者によると、人間は希少性のあるものにより大きな価値を見出す傾向があるそうです。1975年の古典的実験(英語)では、同じクッキーをまったく同じ形の2つのビンに入れ、各々のクッキーに感じる価値を被験者に答えてもらいました。唯一の違いは、一方のビンには10枚のクッキーを入れ、もう一方には2枚のクッキーしか入れていないことです。クッキーにもビンにも見た目の違いがないにもかかわらず、被験者はクッキーが2つしか入っていないビンにより大きな価値を感じました。

また、ポップカルチャーからはFOMO(英語)と呼ばれる「取り残されることへの恐れ」が生まれています。これは、他の人々が知っている魅力的な出来事や有意義な体験を逃すことへの恐れです。

期間限定セールで、この行動トリガーを利用しましょう。購入者にギフトを進呈するなどの販促活動は購入を促す魅力的な動機になりますが、期間や数量を限定しなければ十分な効果を得られない場合もあります。すばやく決断しなければこのプロモーションを逃すかもしれないという状況に直面すると、顧客は購入に踏み切りやすくなります。

 

4.販売促進活動を宣伝する

 

販売促進活動は、自社の製品やサービスに顧客の注目を集めるための活動です。しかし、販促活動そのものに十分な注目が集まっているでしょうか。効果的な販促活動を行うには、その活動が対象オーディエンスの目に触れ、認知されなければなりません。

製品やサービスと同じように販促活動のマーケティングと宣伝を行いましょう。店舗内のポスター、Webサイト、ブログ、ソーシャルメディア、メールマーケティングキャンペーン、テキストメッセージ、モバイルアプリ、プレスリリース、パンフレット、紙媒体やオンラインの広告などはすべて、見込み顧客に販売促進活動を告知する上で効果的です。

重要なのは、人目を引くことです。ただし、販促活動の宣伝にかかるマーケティングコストを計算に入れておきましょう。うっかりすれば、売上増加で得られる利益以上の宣伝費用がかかることになりかねません。確かな費用対効果(ROI)が実証されている販促戦略に集中しましょう。たとえば、メールマーケティングには高いROIがあり、広告費1ドルあたり38ドルの利益を得られます(英語)。

 

5.本当に価値あるものを提供する

 

結局のところ、顧客が興味を持っているのは価値があるかどうかという1点です。本当に価値あるものを提供しなければ、いくらターゲットマーケティングや期間限定セールを実施しても成果を上げることはできません。

どのような提案が潜在顧客に強く訴えるのかをしっかりと考え、自社がそれを実施できるかどうかを見極めてください。そうしてたどり着いたものが理想的な販促活動です。実施できる力がない場合は、ターゲットオーディエンスへの訴求力と自社への費用対効果が折り合う地点まで計画を縮小しましょう。

 

6.結果を検討する

 

次回の販売促進活動についての構想を練る前に、今回の結果を検討しましょう。キャンペーンの事後検討会議を開き、目標に対してどの程度の成果があったのかを確認します。このプロセスは、営業サイクルの適切な時期に行います。

ブランドに対する顧客の期待が高まり、競争が激しくなっても、あらゆる販促活動の中心に顧客体験を置くことを忘れないでください。マーケティングの既存の枠組みを越えて考え、部門の垣根を打破しましょう。パーソナライズされたリアルタイムのアプローチを必ず組み入れてください。これが賢明なやり方です。

 

 


 

 

Amanda Berkeyは、小売および消費財部門、Marketing Cloud、Commerce Cloudの需要創出&フィールドマーケティング担当責任者です。Berkleyのチームは、事業拡大のためのフィールドマーケティング、幹部向けプログラム、キャンペーン、戦略的イベント、ABM、デジタルマーケティングの編成を行っています。

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