営業は、多くの企業にとって重要な仕事の一つです。しかし、営業職に従事して間もない場合、あるいは営業職に従事した経験のない場合は、営業職にどんなスキルが求められるのかを理解することが困難です。
ここでは、営業の仕事内容や営業職に求められる能力、スキルアップのためにできることを紹介します。
自社の製品・サービスを顧客に提案し、販売する仕事を一般的に「営業」と呼びます。ただし、営業の定義はさまざまであり、企業によっては以下のような「顧客に関わるすべてのタスク」を営業とするケースもあります。
お客様のニーズの把握
自社製品の勉強
見積作成
請求や入金の確認
提案やプレゼンテーション
売上予測の更新
在庫の確保
関係部署との調整
納品の立会い
このようなタスクを含む「営業」の仕事に従事する場合、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
ここでは、営業職に求められる6つのスキルを紹介します。
コミュニケーション能力・交渉力とは、営業において相手の話す内容を理解し、同じ目線に立ったうえで意思疎通を図り、提案するスキルです。一方的に話をしてしまう、あるいは何も話せず終わってしまう場合は、コミュニケーション能力の改善が必要です。
ヒアリング力・傾聴力は、顧客の悩みを上手に引き出し、ニーズを聞き出すスキルです。言い換えると「相手が話しやすい雰囲気」を作るスキルともいえます。ヒアリング力がないと本質的な課題から外れた話にばかり終始し、望むような成果を得られない可能性があります。
課題発見力は、商談から「顧客が抱えている課題」を見つけ出し、ピンポイントに突き止めるスキルです。いかにヒアリングを丁寧に行っても、課題発見に手間取り曖昧な内容の提案しかできなければ、有効な商談にはつながりません。
ロジカルシンキングとは、論理的に情報を整理し、それを踏まえて矛盾なく答えを導き出すスキルです。営業の現場では、いまだ経験したことのない問題に直面し、その場で回答を求められるケースが多々あります。このような時、直感や感情のままに主張をするのではなく、合理的な思考にもとづいた回答を提示しなければ、顧客の信頼獲得につながりません。ロジカルシンキングは、商談中の限られた時間の中でいち早く本質的な答えにたどり着くためのスキルだといえます。
トラブル対応力は、信頼を損ねないよう誠意ある行動を心がけ、トラブル発生時に顧客へ真摯に対応するスキルです。顧客に対してただ表面的な謝罪をするだけではトラブルの解決にはなりません。心からのお詫びと同時に、そのトラブルをいかにして打開するか、具体的な解決方法を明確に提示する力が求められます。
ストレス耐性能力は、ストレスをため込まないよう意識し、健全なメンタルを保つよう工夫するスキルです。ストレスは自分だけで消化する必要はなく、ときに同僚や上司に相談して解消に努めることも一つの選択肢です。ストレスが溜まっているとパフォーマンスを発揮することができなくなります。
こんな課題を持つ人に
ここでは、営業として成長するためには何が必要なのか紹介します。
自己分析をしないまま営業メソッドを学んでも、その方法論が自身のタイプにあった内容でなければ意味がありません。書籍を読んだり先輩・上司からテクニックを学んだりといったインプットにより効率的にスキルアップするためにも、まずは自己分析をしっかりと行う必要があります。
また、自己分析を行う際には振り返る癖をつけることも重要です。上手くいったことはもう一度再現できるように、上手くいかなかったことは繰り返さないようにすることが大切です。ニーズの把握がズレていたのか、提案の説明順が功を奏したのかなど、何をどのように行ったら上手くいったのか、あるいは上手くいかなかったのかを振り返る習慣をつけましょう。
1対1で接する業務が多くても、会社は組織。チーム・組織を意識した振る舞いが重要となります。思うように成果が出ていない同僚の相談相手になったり、上司の仕事をサポートしたり、チーム全体での売上向上を意識した活動を心がけましょう。
どんな業界であっても、その市場は日々刻々と変化しています。また、これまでにはなかった新しいサービスやテクノロジーによって顧客のニーズもさまざまに変化します。そうした変化に柔軟に対応できるよう、常に情報収集をする必要があります。
Twitterのトピック機能やGoogleのアラート機能を用いて、業務に関係する分野をザッと確認する方法も良いでしょう。
すでに成果を出している、あるいは経験を豊富に積んでいる先輩や上司は、まさに「生きる教科書」です。まずは良い部分を観察して取り入れ、考えても分からない部分は質問するなどして効率的なスキルアップを目指しましょう。
また、社内教育の一環として指導を受けるだけでなく、一歩踏み込んだ距離感でコミュニケーションを取れば、学びの質は飛躍的に高まるはずです。
業務における目標を明確化することで、「何をすべきで何をすべきではないのか」の基準が生まれ、目標を達成するための現実的な手段を考える習慣が身につきます。結果、日頃の営業活動が洗練されたものとなり、より早く成果を生み出せる人材に成長します。
失敗をした時はその場から逃げ出したくなったり早く忘れたいと思ったりするものですが、失敗を糧にする意識は大切にしなければなりません。
「初めから常に成功している営業パーソン」は存在しません。どれほど優秀な人であっても、過去には多くの失敗を経験しているものです。失敗したことを悔やみ続けるのではなく、学びに変えて昇華する流れを習慣化しましょう。
営業職に求められるスキルは多く、自分自身や自身が属するチームに対して最大限の貢献をするためにも、継続的なスキルアップの意識は欠かせません。
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