Leading Through Change  - いま、私たちができること。-   

いま、中小企業経営者の方の多くが、世界が大きな転換期を迎えていることを実感し始めていらっしゃるのではないでしょうか。しかし、こうした変化は、これまでの戦略を見直し、無駄のない創造的な商品やサービスを模索する契機にもなります。中小企業が顧客とのつながりを維持するためには、経済とオーディエンス両方の新しい需要を反映した、的確で俊敏な戦略が必要です。

とても難しい課題のようですが、具体的な方策に目を向ければ、決して不可能ではありません。ここからは、認知度を高め、デジタルトラフィックを増やし、売上を伸ばすためにオンラインプレゼンスをどう見直せばいいか考えていきます。

 

1. ターゲットオーディエンスを見直す

クラフトビール工房でも、流行最先端のブティックでも、商品やサービスのオンライン販売は以前から取り入れられています。しかし、ただ採算がとれるレベルではなくもっと大きな利益を出すためには、商品を宣伝する方法と場所をあらためて考える必要があります。

中小企業にできる賢明な対策の1つは、オーディエンスを見直すことです。オンライン販売を始めたばかりの場合や、オンラインサービスに変更を加えた場合には、同じオーディエンスのなかで新たな利用客を掘り起こすために、マーケティングの網を広げる必要があります。

たとえば、フェスティバルやイベント用のテント製作を請け負っているTentCraft社は、新型コロナウイルス感染症対策の現場に商品を提供する戦略へ切り替えました。これまでの消費者向けブランドに代わり、病院や医療組織を新たなターゲットとしてとらえ直したのです。現在、同社はドライブスルー型検査や患者の隔離に使われる可動式テントを全米各地の顧客向けに製作しています。この転換の調整と周知に使われたのがSalesforceのSales CloudPardotSalesforce Engageで、この取り組みは短期間で大きな成果を上げました。

 

2. 新しい販売手法を考える

状況が一変したのは企業側だけではありません。顧客の生活も、ここ数か月に起こった社会と経済の急激な変化によって大きな影響を受けています。そのため、既存商品の需要をどう喚起するかについても、新しい発想で考え直す必要があります。

たとえば、男女の賃金格差解消を支援するPepTalkHer社の創業者兼CEOのMeggie Palmer氏は、同社の活動目標を、新型コロナウイルスの影響による雇用問題の解消へと切り替えました。

同社はただちに、この困難な状況でも女性が仕事のスキルを磨き、競争力を維持するために役立つヒントを#PowerPepTalksと題するインタビューシリーズにまとめ、配信を開始しました。これは同社が以前から掲げていたミッションに関連のある取り組みですが、状況に合わせてメッセージを手直しし、ターゲットオーディエンスに届くよう工夫したのです。このすばやい転換を支えたのがSalesforce Essentialsです。すべての登録会員とその情報をファネルに流し込むことで、有望なリードを洗い出し、リターゲティングやリマーケティングを効率的に行うことができました。

顧客の生活の変化について想像をめぐらせてみましょう。彼らは今、何を必要としているでしょうか。それをもとに、従来の枠にはまらない発想で、新しい試みや需要を生み出していきます

 

3. 現在の課題を反映したメッセージを発信する

企業が商品やサービスの見直しを行うのは、ターゲット顧客が新しい課題を抱えていると認識したときです。中小企業が認知度を高めようとするならば、顧客の個別のニーズや悩みをよく理解する必要があります。そうすることで、新しい課題を反映したコンテンツを作成し、解決策を提案するメッセージを発信できます。

このメッセージを既存の顧客と新規オーディエンスの両方に伝えるには、ソーシャルメディアやメールなど、無料か低コストの手段を利用します。たとえば、コワーキングスペースを運営するCreativeCubes.Co社は、対面型のサービスを提供できない状況を受けてビジネス戦略を転換し、在宅勤務で生まれる新たな課題をターゲットにしたコンテンツの提供を始めました。この新しいコンテンツをリエンゲージメント目的のメールキャンペーンで配信し、仕事に集中する方法や健康的な食事に役立つヒントを提供しました。Pardotを使って顧客とのつながりを管理することで、CreativeCubes.Coは会員の97%を維持することができました。

どんな状況でも、中小企業は顧客のニーズに応える有益なコンテンツを提供し、信頼関係を作り直すことに力を注ぐ必要があります。

 

4. コストを削減し、迅速に動く

コストの削減は必然です。特に、実店舗からオンラインストアに移行した場合や、両者をうまく併用しようとしている場合には、コスト削減のチャンスです。売上を落とさずに支出をカットできる領域がないか見渡してみましょう。特に事務関連コストは見直せる可能性があります。

たとえば、ツール、アプリ、サービスに支払っている料金はどうでしょうか。ビジネスモデルの転換で不要になったサブスクリプションがあるかもしれません。コンサルタントや契約業者に支払うコストも検討の対象になります。社内でまかなえるサービスや、合理化できるサービスがないか考えてみましょう。

たとえばコーヒーショップのBitty & Beau’s社は、実店舗の休業で120人の従業員を一時解雇せざるを得なくなったときに、ただちに小回りのきく戦略へと転換(詳しくはこちら(英語 )) しました。共同創業者のAmy Wright氏とBen Wright氏は、わずか1週間でオンラインストアを立ち上げ、自宅から商品の販売とマーケティングを始めました。現在ではコーヒー豆からブランドエプロン、「Cozy Care」ブランドのパッケージまで、さまざまな商品を販売しています。

また、いずれかの領域のコストをカットして浮いた資金をCRM(顧客関係管理)に投資すれば、顧客とのコミュニケーション、セールス、マーケティングのプロセスを効率化でき、時間と予算を節約しながら長期的な認知度向上に結び付けることができます。プロセスの俊敏性を高めることは、ビジネスの再開に役立つだけでなく、これから数か月、数年間と続くかもしれない難しい状況に備えるうえでも役立ちます。

中小企業がビジネス再開の強固な基盤を築くには、顧客が直面している新しい課題や悩みに注目することが重要です。こうした新しいニーズを念頭に、既存の商品やマーケティング、販売戦略(英語)を見直すことで、自社の認知度を高め、エンゲージメントの高い新規オーディエンスにリーチできるようになります。

Salesforceは、新規顧客の開拓、商談成約、顧客満足度の維持をサポートすることで、お客様の成功をお手伝いいたします。当社の中堅・中小企業向けCRMソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。

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