本記事は、米国で公開された「How to Be Inclusive of Working Parents During Times of Crisis」の翻訳版です。著者のIsabel Gonçalvesは、Salesforceが大切にするコアバリューの1つ「平等」を社内外に推進するため、コンテンツ制作を担当しているクリエイターです。

 

Leading Through Change  - いま、私たちができること。- 

新型コロナウイルス(COVID-19のパンデミック)の影響により、188か国の学校が休校となり、15億人を超える生徒がリモート学習する中で(詳しくはこちら(英語))、多くの親たちが仕事と育児、そしてリモート学習の両立に追われています。そしてこれを、新たな日常として受け入れざるを得ない状況にあります。

たとえば先日、こんなことがありました。同僚と2人でトレーニングセッションを録画していたのですが、半分ほど進んだところで4歳の息子が乱入してきて、今すぐ遊んでほしいと大声でだだをこね始めたたのです。おかげで、32分ほど進んでいた録画は最初からやり直しになり、同僚には本当に申し訳ないことをしてしまいました。一方で、かわいい我が子への愛情の念も込み上げました。リモートワークをしながら育児を両立させることは、ハプニングの連続であり、スリリングであると同時に恐ろしく疲れるものです。

そこで、私たち自身がSalesforceコミュニティを通じて学んだことを、「Leading through Change - いま、私たちができること。」の連載記事として、広くご紹介したいと思います。メンバーそれぞれが離れた場所にいるチームを管理することは、それだけで気が遠くなるような作業です。この記事では、米国セールスフォース・ドットコムのリーダーたちが、どのようにして仕事と家庭の両立を実現しているのか、実際のエピソードを交えながらご紹介します。

 

休校中、「親子リモートワーク」を成功させるための7つのヒント

 

Chief Equality Officer トニー・プロフェット

今こそ、一人ひとりがインクルーシブリーダーシップと思いやりを発揮するときです。会議を始めるときはまず、同僚と家族を労いましょう。“今日の調子はどう?”と尋ねるだけで、空気がやわらぎます。電話をかける時間帯も気をつけましょう。朝早い時間や昼食の時間は、子どもを持つ親が特に忙しいときです。

一人ひとりがリーダーとして、子育てを担う親たちの言葉に耳を傾け、配慮する姿勢を見せる必要があります。場合によっては、自分が抱えている課題について話したり、自分の子どもを呼び寄せて挨拶させたりして、そのことを強調しましょう。私の場合は、リモート学習中の9歳の子どもをよく電話会議のゲストに迎えていますが、そこで発見することが多くあります。

最後に一言。子育ての負担が男女で違うと決めつけるのはやめましょう。たとえば父親が2人いたり、母親が2人いるという子がいたり、片親の子もいます。この問題に性別は関係ありません。チームのメンバーにどのような影響が出ているかを一人ひとり確かめ、的確なサポートを考えましょう。

 

Employee Engagement SVP ジョディ・コーナー

今、子どもたちのためにできる一番大事なことは、前向きな姿勢の模範を見せることです。“力を合わせれば乗り越えられる。”というメッセージを伝え続けましょう。この状況が永遠に続くわけではありません。この試練がきっと家族の絆を強くしてくれるはずです。決して簡単ではないですし、辛い日もあるでしょう。でも仕事の手を休め、子どもたちを抱きしめるとき、その顔に浮かぶ涙や恐れ、いら立ちの先には希望があります。間違いなく、この瞬間だけのものであり、かけがえのない一瞬です。子どもたちがもっと大きくなれば、キスで涙を拭いてあげることは難しくなるのですから。

もちろん、周囲の理解も必要です。私は上司や同僚に恵まれています。彼らは私を信頼し、その時一番大切なことに専念させてくれるだけでなく、すべての働く親と同じようにいつもベストを尽くしていると認めてくれています。私も彼らと同じような寛容さと思いやりをもって、同僚や家族、友人に接するよう心がけています。

 

President and Chief Product Officer ブレット・テイラー

今回のことで改めて浮き彫りになったのは、家族と過ごす時間の大切さとその価値です。たとえば私は音楽が大好きですが、その情熱を子どもたちとも分かち合うことができました。大学時代の古いギターを引っ張り出し、夜な夜な家族でかき鳴らしています。最高の時間です。

リーダーたる人はまず、日常生活がすっかり変わってしまったことを認識すべきです。従業員が自宅で子どもの面倒を見るだけでなく、共に過ごす時間を心から楽しめるよう、十分な余裕と許可を与えるのです。柔軟な労働時間を認め、要望を聞いて親身に対応し、仕事と家庭の両立を応援しましょう。

 

Senior Director of Corporate Communications , シェリル・サンクレメンテ

子どもの面倒を見ながら自宅で働くのは、本当に大変なことです。私の場合、“魔の3歳児”と元気な犬、そして私と同じようにリモートワーク中の夫がいます。誰かに助けてほしいぐらいです。今回のことで、世の専業主婦や主夫、ヘルパーさんを見る目が変わりました。

これほど難しい時期ですから、すべてを完璧にこなすのは無理でしょう。私自身、仕事も子育ても中途半端になっている気がします。ですから、この“新しい日常”に慣れるために、他人に対しても、自分自身に対しても、今まで以上に思いやりをもってリードすることが大切です。チームのメンバーには、自分や家族の健康を最優先に考えるよう伝えています。たとえば、不要不急の会議はしない、臨機応変に対応する、チームの枠を超えて共同で仕事を進める、などです。この時期に、チームが結束して支え合う姿を見るのは、本当に誇らしいことです。

 

EVP and General Manager of Platform, Trailhead, and Developers サラ・フランクリン

企業がやるべきことは、柔軟な姿勢で、子どもを持つ従業員にスケジュールを決めさせ、そのスケジュールを尊重することです。とりわけ重要なのは、成果物や期待するものについて、チーム内でやり過ぎなぐらい密に連絡を取り合うことです。こういう状況では、足りないよりも多いぐらいの方が安心です。時間を守り、他人のスケジュールを尊重するよう心がけます。それぞれの人に、いろいろな優先事項があるからです。

今は共感と思いやりをもってチームを率いましょう。誰もが過去に経験のない状況にさらされています。個人的なことですが、私は午後1時から5時までは会議を入れないようにしています。育児を分担し、子どもたちのリモート学習を手伝うためです。

 

Vice President of Trailhead Evangelism, リー・マッゴーワン・ヘイレ

仕事を持つ親、教師、子どものリモート学習の監督者――この3つの役割を同時に兼ねるのはほぼ不可能です。私には中学校に通う息子1人と双子の娘がおり、さらにリモート学習する大学2年生がいます。子どもたちに予定を立ててもらうのは非常に有効な方法です。子どもたちには今も毎晩、翌日の昼のお弁当を作らせています。そうすれば、子供たちが私に昼食の用意を期待しなくなるため、お昼の会議にも安心して参加できます。

私のチームのメンバーには、互いを思いやり、寛容な心をもつよう呼びかけています。このような時期にあって、働き方がどうあるべきなのか、つながりを保つにはどうすればよいのかを、考え直しているところです。新たな時代を生きていることを意識し、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。私は感謝を書き留めるQuipのドキュメントを毎日作成し、メンバーがありがたいと思ったことをチーム内で共有できるようにしました。これは、この先の見えない時代において、他のメンバーのことを知り、その体験を理解し、希望と謙虚な気持ちを育むことができる素晴らしい方法です。

 

Senior Vice President of Brand, Content, and Customer Insights , コリン・フレミング

この前例のない事態は、チームのメンバーに、それぞれ違う形で影響を与えています。全員に当てはまる万能の処方箋など書けません。ただ共通して言えるのは、本人や家族の健康を最優先にして良いと認めることです。そして、リーダー本人がその方針を見える形で実践します。家族との時間を大切にしてください。そして、チームが正しいバランスを見つけることを信頼するのです。

今こそ、相手に寄り添う気持ちと思いやりでチームをリードするときです。どんなスケジュールにも、人それぞれ事情があります。チームのメンバーがこの難局に立ち向かい合う様子を垣間見れば、かつてないチームの絆や結束を感じることができます。この先の見えない状況の中で、前向きになれるものを探し、希望の光にしましょう。

 

以上が当社リーダーたちの言葉です。今、この時がリーダーとしてステップアップするチャンスかもしれません。思いやりの心でチームをリードし、インクルーシブリーダーになりましょう。Salesforceは「平等」をコアバリューとして掲げています。あらゆる人が自分の存在が認識され、価値を認めてもらい、意見に耳を傾けてもらえると感じる職場づくりに真摯に取り組んでいます。すべての人の平等実現を目指す、Salesforceの歩みにご興味があれば、ぜひこちらをご覧ください。

 

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