世界中でコロナウイルスの感染拡大が続く中、急遽リモートワークを取り入れる企業が増えています。直接会って話すことが難しい中で、お客様と良好な関係を維持するために、営業のリーダー達はいま何をすべきなのでしょうか。その解決のヒントとして、米国で発表された当社の取り組みに関する記事をご紹介します。著者のポリー・サムナー(Polly Sumner)は、主にアダプションとカスタマーサクセスを担当する責任者です。

 

Leading Through Change  - いま、私たちができること。- 

私の仕事は、あらゆるお客様がSalesforceを最大限活用できるようにサポートすることです。お客様との信頼関係の構築に情熱をもって取り組んでいます。チーフ・アダプション・オフィサーとして、私は自分の時間の半分以上を世界中のお客様とのミーティングに費やしています。こうした対面でのやりとりは、お客様を支援する上でとても重要です。

来る日も来る日も、私はぎっしり詰まったスケジュールとともに飛行機で見知らぬ都市へと降り立ち、せわしなく車に乗り換えてクライアントとのミーティングに向かい、終わったらホテルに泊まって翌日また飛行機に乗る、という生活を送っていました。そんな状況が一夜にして変わりました。

新型コロナウイルスに対する不安が高まると、Salesforceは事態への警戒感から多くの従業員に在宅勤務の指示を出しました。4か月先まで毎日ミーティングの予定が入っていた私は、急遽、目前の予定をビデオミーティングに変更せざるを得なくなりました。

このように、デジタルコミュニケーションが標準のコミュニケーション方法となった今、セールスリーダーがお客様とのつながりを深めるためにすべきことは何でしょうか?自宅に閉じ込められているチームに、何を伝えたらよいでしょうか?直接会わなくてもその場にいるように振る舞うにはどうすればよいのでしょうか?

ここでは、外出しなくてもお客様と強固な関係を維持し、新たな関係を築くために、ここ数週間、私が実践してきた成功例をいくつか紹介します。この試練の時期においてもお客様との絆を深めることができるよう、私の成功例がヒントになれば幸いです。

 

1.チームの声に耳を傾ける

現実的に対処しましょう。チームメンバーが事態に対して不安を感じているとしたら、お客様を支援する方法を考える余裕などないでしょう。

何よりもまず優先すべきは、包容的で共感的な文化をトップダウンで構築することです。チームはリーダーの言動に注目しています。リーダーは、一人ひとりを気にかけていることを示す必要があります。チームコールや1対1で話す機会を設け、あなた自身の話をするとともに、メンバーにも話をするよう促しましょう。 会話を通じて課題が見えたら、詳しく検討しましょう。どのように支援できるのか?配慮すべき境界線は?チームとして合意に達しておくべきことは何か?

在宅勤務になった私がまず取り組んだのは、週に2回、ただ雑談するだけのチームコールを開催することでした。そこで出た話題をQuipドキュメントにすることで、全員の考えをまとめて、学んだことを共有できました。さらに、メンバーをバーチャルハッピーアワー(仮想親睦会)に招待するという方法(英語)もあります。たった15分、Webカメラを通して会話をするだけで、どれほどポジティブな効果が得られるか、実践してみるときっと驚かれると思います。

Salesforceでは、さまざまなツールやチャネルを通じて従業員が自分の仕事への取り組み方を再定義できるように支援しています。とはいえ、使えるテクノロジーがどんなものであれ、リーダーなら共感力と傾聴力を発揮できるはずです。こうした姿勢を示すことで、チームメンバーにも同じように行動する気持ちが高まります。

 

2.お客様の声に耳を傾ける

アメリカの偉大な詩人であり、作家でもあるマヤ・アンジェロウ氏がこう語っています。「人はあなたが言ったことも、あなたがしたことも忘れてしまう。だけど、あなたに対して抱いた感情を忘れることはない。」

今こそ、お客様の声に深く耳を傾けるときです。その重要性はこれまで以上に高まっています。お客様が不安に感じていることを真剣に聴き、お客様のために全力を尽くす姿勢を示すよう、チームを鼓舞しましょう。

具体的には、バーチャルコーヒーパーティーを開催してみてはどうでしょう。お客様が現在直面している状況について話し、どのような連携ができるかブレインストーミングして、お客様の問題を即座に解決できるアイデアを提案します。

先日、あるお客様から、自分の顧客と対話するための緊急対策ポータルが必要だという要請がありました。私たちのチームは2日間でプロトタイプを作成しました。そのお客様が最終的に私たちと契約してくださるかは分かりませんが、最も必要なときに私たちが全力で支援したことはきっと忘れないでしょう。

今は多くのことが不確定です。それでもビジネスを継続する必要があります。この瞬間にも契約は交わされていますし、課題があるのなら、解決しなければなりません。共感をもってお客様に耳を傾けていれば、最後にはお客様にとっての真の価値を創出することができます。

 

3.お客様の時間に配慮する

営業とカスタマーサクセスの基本はより良い関係を築くことです。もちろん、見込み客をディナーに招待するのは、現時点では不可能でしょう。

相手の時間を気にかけることが、敬意を表す最善の方法である場合があります。話が長くならないように注意しましょう。お客様が仕事や家庭の用事に戻れるように、アジェンダに沿って簡潔に話すようにします。

お客様が面談の時間を取ってくれた場合は、ミーティングの開始時間を条約のように厳守します。注意深くメモを取り、フォローアップを送信し、全力でサポートすることを強調します。

 

4.ともに学ぶ

率直に言って、私もすべての質問に答えられるわけではありません。しかし、どんな状況でも揺るがない真実があります。人は、お互いに協力し、関係やコミュニティ(Salesforceでは、家族のような信頼関係と絆で結ばれた彼らをOhana(オハナ)と呼んでいます)の結束を固めたとき、より強くなるということです。

今月は、新型コロナウイルスの影響を受けて例年開催している自社イベントWorld Tourを初のオンライン限定で開催 しました。通常のWorld Tourは、お客様と直接お会し、お客様とともに学習とネットワークを作りながら一日を過ごすイベントです。私たちはこれを10日間でオンライン開催に方向転換しました。

デジタル環境での開催をお客様に打診したところ、あふれんばかりの賛同をいただきました。私たちは新たなバーチャルリアリティ(VR)に挑みましたが、それはお客様も同じことです。ともに協力し、今まで以上の成果を手にしたのです。

 

この記事を読んでくださっている皆様は、リモートワークでどのようにお客様との関係を深めているでしょうか?あなたやチームの体験談をぜひ、お聞かせください。@salesforce や @SalesforceJapanで、皆様が学んだことを共有させていただければ幸いです。

リモートワーク関連のヒントをお探しでしたらぜひ、仮想コラボレーションに関するTrailheadモジュールをご覧ください。

また、本連載「Leading Through Change - いま、私たちができること。 -」 では、ビジネスリーダーの皆様がこの難しい状況を乗り越えるために役立つ、ソート・リーダーシップ、ヒント、リソースをお届けしています。ぜひ、以下の記事も合わせてご覧ください。