「顧客の期待変化」が生むカスタマーエクスペリエンスの重要性とは

1950年代にテレビ、ラジオ放映を契機に始まったマスマーケティング、そこから時を経て、現代はデジタルマーケティングの時代になりました。

過去10年余りを振り返ると、2007年に「iPhone」が日本に上陸をして、2008年には「Facebook」や「Twitter」がサービスを開始。デジタルマーケティングもまだ20年ほどの歴史しかありません。しかし、もう既に新しい時代が到来しようとしています。

現在、時代は「第4次産業革命」を迎えています。マーケティングの世界では「これからは“インテリジェントマーケティング”の時代」と言われています。

 

そして、これからさらに大きな変化が訪れるとされています。その背景には、「顧客の期待変化」があります。Salesforceが6700人の消費者に対して行った調査では、約80%もの顧客が「企業が提供する体験は、商品やサービスと同じくらい重要」と回答しています。つまり、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)が非常に重要になってくるのです。これはとても大きなキーポイントです。

 

あらゆる顧客との“1対1”コミュニケーションを実現する「Salesforce Marketing Cloud」

Salesforce Marketing Cloud」(以下、Marketing Cloud)は、顧客データや行動データを一元化し、リアルタイムに組み合わせることでメールやソーシャルメディア、SMS、LINEなどあらゆるチャネルやデバイスを活用した顧客との“1対1”コミュニケーションを実現するプラットフォームです。

Marketing Cloudは顧客の「理解」し、顧客に「寄りそう」コミュニケーションをとって顧客と「つながる」という3つのフレームワークを提案します。

  • 顧客を理解する

現在の消費者は、スマートフォンやタブレット、PCなど複数のデバイスを利用します。DMPデバイスマッチングを利用することで、複数のデバイスでも個人を推定し、広告のフリークエンシーをコントロールすることが可能になります。また、Social Studioを使えば、SNS上で自社のブランドはどのように語られ、多くの人はどのようなトレンドを追いかけているのかを理解することができます。

  • 顧客に寄りそう

メールを送るときにも、嗜好や購買データをもとに顧客ごとにメッセージを出し分けることができます。さらにメールを送る時間も、個々人がもっとも開封しやすい時間をAI(Einstein)によって判定して送ることができます。もう、「どの時間がもっとも開封されやすいのか」といったA/Bテストなどはしなくてもよくなるのです。

  • 顧客とつながる

メール、SNS、アプリのプッシュメッセージなど、個人ごとに気にするチャネルは異なります。たとえばイベントの告知メッセージを送ろうとするときには、AI(Einstein)が各個人のもっとも反応しやすいチャネルを選択してくれます。

 

このように、Marketing Cloudは顧客を深く「理解」をして、顧客に「寄りそう」コミュニケーションで「つながっていく」という3つのフレームワークで、インテリジェントマーケティングを促進し、企業がROIを改善するサポートをしてきました。

そして先日、「Datorama」がジョインし、4つ目のフレームワークである「メジャー(計測)」が加わりました。全てのマーケティングのコミュニケーションのデータを収集して計測するというフレームワークを実現します。

Datoramaは、広告キャンペーンやチャネルなどを横断したマーケティングデータの分析を可能にするため、マーケターは、リアルタイムに価値あるインサイトを発見し、マーケティング施策の最適化を図ることができるプラットフォームです。

 

Datoramaを活用することで、マーケティング活動の透明性を確保できる

多くのブランドを抱える企業では、複数のブランドのマーケティング活動を展開するにあたって、広告代理店を分けるケースがよくあります。長期的な視野に立って、戦略的なメディア投資先を決定していくこと、また日々のパフォーマンスを最適化していく必要があり、広告への投資と効果の透明性確保が必要になります。

ところが、年間に各代理店から受け取るレポートを合計すると数百件になることも多く、データの一元管理はもちろん、データ全体を俯瞰することが不可能です。そのため、日々の施策の最適化ができていない状況になる、ということはよく聞く話です。

そこでDatoramaを導入すれば、複数の代理店が管理する複数のブランドにわたるマーケティング活動の透明性が確保され、日々の最適化も図れるようになります。さらに、Datoramaという共通のデータ基盤を手に入れたことで、広告代理店と共に長期的なメディア戦略やメディア投資を行なうことができます。広告代理店との信頼関係の強化、そしてより長期的に見て正しい意思決定を促すことにもつながるのです。

 

大規模な1対1ジャーニーを実現したチケットマスター

世界最大規模のチケット販売会社 チケットマスターはMarketing Cloudを活用し、お客様1人1人とつながる1対1のジャーニーを確立しています。チケットマスターはジャーニーの実現に、2つの新機能を導入しました。

1つが「Google Analytics 360」との連携機能です。今まで複数のツールを行き来して効果検証を行うなど、時間や手間がかかっていた部分が、Google Analytics 360 との連携によりMarketing Cloudの中だけで、より迅速でかつ簡単に実現できるようになりました。

 

もう1つが、Interaction Studioです。Webやメール、アプリといったデジタルチャネルだけでなく実店舗などオフラインのデータまで横断して、顧客のジャーニーを補足してアクションを起こすサポートをしてくれます。過去の行動も全てトラッキングすることが可能で、顧客が自社とどのような関わりをもってきたのかを判別することも可能です。顧客の行動はリアルタイムに補足することもでき、たとえば「イベント会場に到着したとき」などをトリガーにして顧客にコミュニケーションを取ることもできます。マーケティングの新しいアイディアを生み出すのに効果的なソリューションです。

 

インテリジェントマーケティングが新しい顧客体験を創造

顧客の期待の変化は、新しい顧客体験に結びついています。それに対応するためには、企業が顧客を理解して、顧客に寄りそうコミュニケーションでつながり、その効果を計測するというインテリジェントマーケティングを実践していくことが求められます。マーケティング部門だけにとらわれず、セールスやサービスを通じて新しい顧客体験を創造することが求められているのです。