ラコステは1933年設立の、右を向いたワニの商標で有名なフランスのアパレルブランド。元プロテニス選手のルネ・ラコステ氏が創業者で、特にテニスウェアとして定番のポロシャツの販売で世界的に有名です。
同社はまた、Salesforce Commerce Cloudを活用してB2Cコマース、B2Bコマースのいずれにおいてもお客様とのエンゲージメントを果たしているTrailblazerでもあります。SalesforceシニアヴァイスプレジデントでCommerce Cloudのプロダクトマーケティング担当キャサリン・マーフィーは「私たちは、B2C、B2Bビジネスの両方で、AIを活用してお客様のエクスペリエンスを最初から最後まできちんとリードしていきたいと考えています」話します。
ラコステはCommerce Cloudを活用し、オンラインと店頭で顧客とのコミュニケーションをシームレスに展開しています。
Commerce Journey機能はお客様の購買行動データを収集して分析し、One to Oneのジャーニーを提供します。
Service for Commerce機能を活用して、お客様が何を見て、何を注文しているのかをひとつひとつ理解することによって、カスタマーサービスはService
Cloudにより優れたサービスをお客様に提供できるようになります。
そして、これらはすべてEinstein (AI) がカバーしています。
ラコステがB2Cのお客様向けに実現している、マーケティングとカスタマーサービスのコマース連携の例を紹介しましょう。
ラコステで採用しているCommerce Cloudでは、EinsteinによってECサイトの来訪者に合わせて、表示する商品を変えることができます。女性向け・男性向け、また過去に閲覧した商品があれば、その行動に合わせてパーソナライズすることも可能です。
そして顧客は、購入後のとどくメールから直接カスタマーサポートに対して連絡することが可能です。たとえば、「商品の送付先を変更したい」といったときがあれば、メールでも連絡できることができるので、顧客の負担を減らすことに繋がります。
次に、ECサイトで購入しようとした商品をカートに入れたまま顧客はサイトを離脱し、そのあと、あるフラッグシップストアを訪れたとしましょう。
店舗に到着した顧客が店頭のタブレット端末にログインすると、ショップスタッフはお客様がECサイトで買い物途中だったことをすぐに把握できます。フィッティングアプリを利用すれば、店内にある在庫の商品とカート内の商品を組み合わせて購入することもできます。
また、ラコステのポロシャツは店頭のタブレット端末を使い、お客様が自由にカスタマイズしてオリジナルな製品としてオーダー、購入することが可能です。もちろん、同様のオーダーはECサイトでも行えます。
そして、ECサイトで購入した商品はどこの店舗ででも返品できます。いわゆる「Endless Aisle(エンドレスアイル)」を実現しているのです。
「すべてはお客様ありきなのです」とマーフィーは話しました。
デモでは、Commerce CloudのB2B Commerce機能も紹介されました。これは、B2Cのコマース体験をB2Bのお客様にも提供するという機能。
B2Bコマースの包括的な機能を提供すると共に、オムニチャネルのB2Bカスタマーエクスペリエンスが実現されています。
B2B用のポータルサイトにアクセスすると、画面はB2CのECサイトとほぼ同じ構成になっています。ブランド、カテゴリーでのフィルタリングも可能で、店頭での販売価格も表示されています。
B2C向けのECサイト同様に、商品をカートに入れることで総額も表示されます。B2C向けECサイトと異なるのは、Einsteinによる業績見込みが計上されていることです。
3つの店舗を運営している仕入れ担当者を例にしましょう。
当初売れ行きを見込んでいた商品が、スポンサードしている選手の勝敗などの影響で想定よりも数がさばけなくなったとします。
仕入れ担当者は販売計画を変更して一般的な製品を仕入れることに方針を転換し、オーダーの変更、商品のラインナップ、数量を変更します。するとEinsteinによる業績見込みも変化していきます。
ベストな製品を選択し、総オーダーを変更、あとはB2C向けのECサイトのお客様が配送先を指定するのと同様に、運営する3つの店舗に仕入れた商品を分散して配送して完了です。支払いについても、すでにオーダーしている製品とともに決済できます。
このように、Commerce Cloudなら、ECサイトでB2Cのお客様が商品を購入するのと同様の簡単なインターフェイスで、商品発注や決済が可能になります。そして同時に、EinsteinのAI支援も活用することで、B2Bのお客様にエンゲージメントしているのです。