企業のデジタルトランスフォーメーションを支え、革新に挑戦し続けている「Trailblazer(トレイルブレイザー:先駆者)」。彼らの取り組みは、他の企業でも参考になる示唆に溢れているはずです。そこでこのシリーズでは、先駆者たちがどのような成果を上げているのか、そしてその成果に至るまでにいかなるチャレンジを進めてきたのかを紹介します。
第1回でご紹介するのは、コニカミノルタジャパン株式会社の皆さま。同社は2016年4月に、コニカミノルタの日本国内における情報機器部門、ヘルスケア部門、計測機器部門がひとつになって設立された会社です。コニカミノルタが培ってきたさまざまなノウハウを活用し、機器、サービス、ソリューションを一体化してご提供できる体制を確立しています。
その一方で以前から、営業改革に向けた取り組みも積極的に推進してきました。これが始まったのは2013年、目標は「論理的営業行動の実現」です。この取り組みをリードした上席執行役員 直販営業本部 本部長の小関 高行 氏は、次のように語っています。
「以前のコニカミノルタには、良いものを作れば売れる、売り上げを上げるには気合と根性が大事といった文化が、色濃く存在していました。しかし主力製品であるMFP(複合機)などの商材はもはや差別化が難しく、気合と根性で売り上げや利益を生み出すことは困難です。論理的営業行動への転換が必要だと感じていました」。
この取り組みでは、「営業・マーケティングを変えていく」というテーマを持ち、分業による効率化と、フォーキャスト(売上予測)の精度向上に重きを置いて進められました。2014年にマーケティング統括本部を立ち上げチームセリングへのシフトを進めるとともに、3か月予測を週次で行うという活動を開始したのです。その結果、2016年にはチームセリングの文化が定着、営業生産性は20%向上、顧客価値時間は30%増大しました。そしてフォーキャストの誤差も±5%程度まで縮小したのです。
しかし同社の挑戦はこれで終わりではありませんでした。この営業改革をさらに進化させるため、営業支援システムの刷新にも着手するのです。複数のソリューションを比較検討した結果、最終的にSalesforce Sales Cloudの採用を決定。元々は1年後からの稼働を想定していたものの、1年前倒しし2017年7月から活用を開始しています。
2014年1月にコニカミノルタジャパンの営業部門に着任し、営業パイプラインごとの売上予測金額などを表示するダッシュボードの立ち上げや運用に携わってきた、直販営業本部 サービス営業統括部 統括部長の山内 浩氏は、Salesforce採用の理由を次のように説明します。
「私は以前勤めていた会社でSalesforceを少し使っていましたが、当時からかなり進化しており、これまで当社で確立してきた営業プロセスをそのままシステム化できると感じました。またSalesforceは営業やマーケティングのベストプラクティスであり、他の選択肢は考えられませんでした」。
Sales Cloudの立ち上げは、山内氏をリーダーとする約20名の先行チームによって、3ヶ月間で実施されました。ここで行われたことは、これまで4年間にわたって確立されたプロセスを、そのままの形で移植することです。クラウドなので、動作スピードは少し心配でしたが、問題なく立ち上げは順調に進んでいきました。
これと並行して2017年5月には、インサイドセールスの内製化も行われました。これによって営業活動の分業化を、さらに徹底していくことが目指されたのです。現在では、リード獲得を担当するマーケティング、マーケティングが獲得したリードに対して電話フォローしアポイントを取るインサイドセールス、アポイントが取れたリードに対して訪問・提案を行い受注につなげていくセールスの、3チーム体制で営業活動が展開されています。
「以前のシステムは機能が限定されており、マーケティングとセールスが分断されていたため、どのようなマーケティング施策が効果的なのかが判断できませんでした」と振り返るのは、直販営業本部 マーケティング統括部 セールス・マーケティング部の新福 玲菜 氏です。しかし現在ではインサイドセールスに渡した後のリードの状況が把握できるため、セミナーなどのイベント企画が行いやすくなったといいます。
またインサイドセールスを担当する直販営業本部 ソリューション営業統括部 ICT営業2部の川口 奈緒子 氏は、「まだインサイドセールスが立ち上がったばかりの段階ですが、Sales Cloudで情報共有することで、インサイドセールスの役割がどのようなものなのかを理解してもらいやすくなりました」と語っています。
売上フォーキャストの精度も向上しました。2018年1~3月期の平均誤差は±3~4%になり、山内氏のチームでは±1~2%を達成しているのです。フォーキャスト計算を行っている営業担当者であれば、これが驚くべき数字であることをすぐに理解できるはずです。
「分業をさらに徹底することで、さらなる生産性向上を目指します」と山内氏。2017年は営業担当者の人数を2割ほど削減していますが、この体制によってこれまで以上の成果をあげられるはずだといいます。「論理的営業を効率的に進めていくには、1人ですべての営業活動を行うなどということはありえないと考えています」。
コニカミノルタジャパンでは、顧客の購買行動変化に合わせたデジタルマーケティングの強化を目的に、Pardotの活用も始まっています。お客様にわかりやすい情報を適切なタイミングで届けることにより、新たな顧客開拓ができ、顧客接点から様々な情報を取得し、営業は訪問前でも顧客について深く理解できるようにと早速効果が出ているとのこと。今後はこの情報基盤の上に導入後のお客様をフォローするサポートの部隊も組み込まれ、複数のチームをまたいだ「横断的」な情報共有とプロセス管理によって、さらに論理的かつ効果的な営業活動の実現を目指されています。
このケースでは、元々独自のアプローチで進められてきた営業改革を、Salesforceによってさらに推し進めることができた、コニカミノルタジャパン様の取り組みを紹介しました。 営業改革の情報基盤としてSalesforceを選択したことで複数部門がお客様を中心につながり、将来的にさらなる拡張も見込むことができる、どの基盤を選択するかも非常に重要なポイントの一つです。
コニカミノルタジャパンの取り組みについてはこちらから更に詳しく確認いただけます。
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