※本ブログは、米国で発表したブログ「Five B2B Account-Based Marketing New Year’s Resolutions for 2017」の翻訳版です。著者のDan McDade 氏は、見込み客の開拓を手がける PointClear, LLC の社長兼 CEO です。同社は、リードナーチャリングや取引先との接触、見込み客の購入態勢作りを通じて、B2B 企業の収益拡大を支援しています。
2016 年、CSO Insights に次のようなレポートを発表しました(詳細はこちら(英語))。
誰もが思い当たることがあるはずです。なぜならここ数年、状況はあまり変わっていないからです。
そこで、2017 年に業績を上げるために実践できることとして、次の 5 つを提案します。
Lead to Revenue Calculator は、オリジナルのプランニングツールで、他では無視されがちな指標を計算に入れられます。お客様に合わせて数字を調整できるよう設計されているので、係数を掛ける、桁を上げる、パーセンテージを調整するなど、リードジェネレーションの問題点を明らかにするための変更を加えられます。
前掲の計算例は、業界のベンチマークを前提にしています。たとえば、ある業界では、インバウンドマーケティングによって創出される収益が、年間目標収益の約 35% であるとします。このため残りは、既存のビジネスからの売上や、積極的なアウトバウンドマーケティングによって積み上げる必要があります。また、この例では、SiriusDecisions Demand Waterfall の指標をもとにして見積もった数字も、いくつか用いています。なお、多くの業界では、営業担当が自ら発掘する案件の割合は、60% とされていますが、実際には、どの企業も営業担当に対して多大なサポートを提供しています。そのため、この例では 35% としています。
自社にあてはめて計算したい場合は、こちらをクリックしてください。(注:外部サイト(PointClear社のページ)に移動します。)
「森の中で迷っている人でさえ、どこに行きたいかはわかっている」 ―― これは友人の言葉ですが、マーケティング担当者も営業幹部も、誰もが良い成果を上げたいと思っています。しかし、「リード」に対する共通の定義を持たないために、全員が森の中をさまよっているのです。マーケティング部門が有望とみなしたリードが、営業部門に放置されてしまうのはそのためです。そうなると、マーケティング部門は、リード単価を重視する戦略に出てしまい、問題はさらに悪化します。ホワイトペーパーをダウンロードした人――、1 件あたり 25 - 50 ドルの費用がかかっているわけですが、これは果たしてリードと言えるでしょうか?マーケティングオートメーションツールのある基準を超えた人は、リードなのでしょうか?Web サイトでフォームに入力した人は、リードでしょうか?――そうかもしれませんが、おそらく違うでしょう。
残念ながら、マーケティング部門と営業部門が手を取り合って神頼みしたところで、全社共通のリードの定義が天から降ってくるわけではありません。リードとは何かを全員が理解し、納得するには、業務管理や財務、マーケティング、営業などの幹部職員が集まって、リードを定義する必要があります。これはきわめて重要なことです。
御社では、リードをどのように扱っていますか?マーケティングが営業に投げたリードが、そのままブラックホールに吸い込まれていませんか?
参考までに、指針をいくつかご紹介しましょう。「共通のリードの定義」は、BANT(予算・決裁権・必要性・導入時期)や ANUM(決裁権・必要性・緊急性・資金)などの考え方とは違います。これらの考え方は、商談の確度を判断するときには役立ちますが、手法は、適切に働きかければ、有望な見込み客になるはずの相手を見極めるには不向きです。一方、有望とみなされた見込み客に営業がアプローチしてみると、すでに他社が売り込みをかけていて、競合する前にすでに勝負がついてしまっていることもあります。「共通のリードの定義」については無数の見解がありますが、要は企業の属性情報(業種、規模、上場区分、地域など)、意思決定者とインフルエンサー、(周囲の意見はどうあれ)課題とニーズ、強いきっかけ、そして、それらを評価するプロセスが見るべきポイントです。理想的な見込み客とは、顧客の購買プロセスの早い段階から、営業が関与している相手です。インバウンドマーケティングの専門家のなかには、購買プロセスの 57 - 70% が進行してからでもよいと考える人もいるようですが、それでは遅すぎます。(詳細はITSMA の Julie Schwartz 氏が執筆したこちらの記事をお読みください。)
共通のリードの定義とは、単なる良いアイデアではなく、全員が従うべき法律のようなものです。つまり、「リードの番人」とは、定義が守られているかどうかをチェックする役割を指します。たとえば、営業があるリードを早い段階で放棄した場合、番人は、その行動が適切だったのか(リードが定義に適合していたかどうか)、あるいはリードをあきらめた理由が、SiriusDecisions のいわゆる「直観的でない理由(3 回電話したが折り返してこなかったのでリードではない、など)」だったのかを判断します。また、ほとんどのリードは何のアクションも取られないまま、CRM というブラックホールに吸い込まれてしまうので、営業からフィードバックがないときも調査を行います。よくわからないままリードが消滅するのを防ぐために、営業がリードを却下するか、受け入れるかを判断する期限を予め決めておきます。
リードの番人をマーケティングと営業のメンバーのみ(あるいはどちらか一方のメンバーのみ)で構成していては、番人としての機能は果たしません。業務管理部門や財務部門などで経営管理に携わる人が参加している必要があります。彼らはこの手法の効果を理解し、プロセスを通してビジネスをコントロールできることに価値を見出すからです。最初の数か月は煩雑に感じられるかもしれませんが、長い目で見たら、大きな見返りが得られるでしょう。
インバウンドとアウトバウンドのどちらの場合も、リードジェネレーションを成功させるためにはナーチャリングが欠かせません。しかしながら、数あるマーケティング施策のなかで、ナーチャリングが最も軽視されがちな活動です。電話やボイスメール、メールなど、さまざまな方法で複数回リードに接触し、それを定期的に繰り返すことは、時間と費用をかけるだけの価値が十分あります(成果を考えれば、かかる時間と費用は取るに足りません)。
ナーチャリングが必要な見込み客は 3 つのグループに分けられます。この点を念頭に置いて、以下の表をご覧ください。
アカウンタビリティ(説明責任)とは、罰したり、非難したりすることではありません。目的が明確で、持続的な行動を通して、他者が目標を達成できるようにサポートすることです。つまり、組織の全員の成功を応援することです。2017 年を迎え、アカウンタビリティの新しい時代が来ています。
この時代にマーケティング担当者がやるべきことは、リードの質についてアカウンタビリティを持つことです。営業がアプローチするには、時期尚早なリードはナーチャリングに回し、リードに対するマーケティング活動が売上に与える影響を計測します。
そして、営業担当者は、リードへの効果的なフォローアップに関して、アカウンタビリティを持つべきです。それぞれのリードに営業をかけて成約、または失注まで見届けるか、マーケティング部門に返してナーチャリングを依頼します。また、現実的で正確な売上予測を行いましょう。
アカウンタビリティを持つこととは、アカウントベースドマーケティング(ABM)を展開することにつながります。
アカウントベースドマーケティングでは、営業とマーケティングが戦略を立てて大口顧客を狙うので、見込みに関するアカウンタビリティが織り込まれています。2 つの部門が連携して、高度にパーソナライズしたアプローチで意思決定者に働きかけ、商談を動かしていきます。両部門はタイミングを見計らい、チャネルを選んで、最適な戦術を駆使して取引先とのパーソナルな交流を図り、売上を増加させます。
いかがでしたか?2017 年のマーケティング活動と営業活動の成功をお祈りします。