再生中に視点を移動できる360度動画や、臨場感のある音が楽しめるバイノーラル録音など、臨場感を味わえるVRコンテンツが注目されています。録画・録音のための機器や再生できるプラットフォームが整ったことで、今後はマーケティングツールとしての活用もできそうです。では、具体的にどのような魅力があり、撮影や録音には何が必要なのでしょうか? 話題の360度動画とバイノーラル録音をクローズアップします。
音量にご注意いただき、再生ください。なお360度動画に対応していないデバイスもございますので、その点ご了承ください。
360度動画とは、さまざまな角度から被写体を見ることのできる動画のこと。再生中に画面を上下または左右にドラッグするとその方向に視点が移動するので、通常に撮影したものより没入感のある動画を楽しめる点が魅力です。
YouTubeが2015年3月に、Facebookが同9月に対応を開始するなど視聴するための環境が整ったことから、目にする機会も増えてきました。屋外の風景やアウトドアスポーツ中の映像を撮影して楽しむといった使い方のほか、広告やプロモーションでの活用も期待されています。
360度動画を撮影できるカメラとしては、すでに複数の製品が販売されています。また、360度動画をソーシャルメディアにアップロードする場合、動画にメタデータを埋め込む作業が必要になります。最近では、各ソーシャルメディアに対して、自動でメタデータを追加してくれる機種も登場しており、例えば、YouTubeの360度動画に対応している機種とすると、RicohのTheta、KodakのSP360、IC Real TechのAllieが対応しています。またFacebookに関しては、RicohのTheta、IC Real TechのAllie、Giroptic 360cam、360flyが対応しています(※YouTubeヘルプページ、Facebookヘルプセンターからの引用。近日対応予定の機種を含む。情報は、2016年2月4日現在)。
360度動画をさらに簡単に撮影・公開できるスマートフォンアプリも登場しています。米Fyuseによる写真アプリ「Fyuse」は、スマートフォンを水平や垂直方向に移動しながら撮影すると、その映像が360度動画として楽しめるもの。映像に立体の文字を入れることも可能で、撮影後はそのままFacebookやTwitterなどのSNSにアップロードできます。
Fyuseのユニークな点は、加速度センサーとの連動。撮影時のスマホの位置情報が記録され、閲覧者が端末を傾けることで視点を移動した映像を見ることができます。もちろん、ほかの360度動画と同様に画面をドラッグしての移動も可能です。
映像だけでなく、音を立体的に表現する技術にも注目が集まっています。バイノーラル録音は、人間の「耳の位置」で音を収録することによって、まるでその場にいるかのような臨場感を得られる録音方法です。
ダミーヘッドマイクロフォンとよばれる人の頭部を模したマイクロフォンを使って録音した音をイヤフォンで再生すると、音源と耳との位置関係が正確に再現され、録音現場で聞いている音に近い状態で再生できるのです。
ダミーヘッドマイクロフォンは価格が高く、一般には活用しづらいのが難点でしたが、より手軽な方法でバイノーラル録音を可能にするツールも登場してきています。
ソーシャルメディアなどを利用した情報発信は、企業にとって欠かせないものとなりました。しかし、いつも同じ方法ばかりを使って情報発信していたのでは、ユーザーに飽きられてしまうおそれがあります。ユーザーは、つねに新鮮で刺激的な体験を求めています。
今回ご紹介した360度動画やバイノーラル録音を活用することも、ユーザーの印象に残るプロモーションに役立つものではないでしょうか。
そして、最新技術を使ったユーザー体験の提供とともに大切になるのが、ユーザーにどのようにコンテンツを届けるかという視点です。適切な情報の管理です。SalesforceのMarketing Cloudは、メール、Facebook、Twitter、LINEやInstagramソーシャルメディアなど、多岐にわたるチャネルを用いて、適切なコンテンツを適切なタイミングで届けるためのの管理やソーシャル広告の最適化、プラットフォーム顧客データの分析などをスムーズにするプラットフォーム。ユーザーのニーズに応えるコンテンツをスピーディーに、そして的確に提供することが、ファンを増やし、ユーザーとの関係を強固で継続的なものに変化させるのですするために欠かせないのです。
参考文献: