CRM が必要なわけ

営業・マーケティングに関わる共通の悩み

企業規模の大小や、業種・業態によっても異なりますが多くの企業で、以下のような営業・マーケティングにまつわる悩みをかかえているのではないでしょうか。

  • イベントやWeb広告で収集した見込み客を適切にフォローできていない
  • 商談化した案件の成約までに時間を要したり、失注につながるケースがある
  • 顧客担当者を変更したが、うまく引き継ぎができず顧客の不満につながる
  • 顧客リストが個人や部門ごとに管理されていて同じ顧客に二重に働きかけていた
  • 売り上げ予測が個人の勘に頼っており精度が低い

こうしたことは、顧客に関する情報が個々の担当者レベルで管理され、部門や全社で共有されていない、あるいは、共有されるまでに時間がかかっている ことに起因します。また、同一顧客に関する情報が、例えば営業部門とサービス部門いった具合に別々に管理されており、必要な情報をタイムリーに参照でき ず、部門の垣根を越えた効果的な施策が行えないことも、業務効率を悪くする原因になります。

そこで注目したいのが、CRMです。CRMとはCustomer Relationship Managementの略で、日本語では「顧客関係性管理」と訳されます。CRM ツールを営業部門、マーケティング部門、カスタマーサービス部門など、顧客に関わるすべての部門が利用し、問い合わせ管理、見込み客管理、商談管理、過去 の購買契約履歴など、顧客を軸とした多様な情報を一元管理することで、顧客とより緊密な信頼関係を構築することができ、ひいては売上拡大や事業拡大につな がります。

同一顧客の情報が社内に散在

顧客情報を共有し、商談発掘、成約率、リピート率を高める

では、実際にCRMツールを使うことで、どんな効果が期待できるか考えてみましょう。

たとえば、法人相手のビジネスの場合、取引先のさまざまな担当者と会いながら、商談を進めることになります。誰がキーマンなのか、どんな反応があっ たかなどの進捗を記録することで、適切なアドバイスやフォローをタイムリーに入れられるようになります。また、過去の同様の商談の成約や失注を参照するこ とで、商談成約率を高めることにつながります。手つかずのまま放置されている見込み客や、しばらく受注のない休眠顧客を洗い出し再アプローチするといった ことも可能になります。

また、小売業やサービス業のような個人相手のビジネスであれば、いつどんな商品やサービスを購入したのか、会話から得られた趣味・嗜好などを蓄積す ることで、次にどんな商品やサービスを勧めればよいのかや、接客時の会話の糸口をつかんだりすることにつながります。また、カスタマーサポート部門への問 い合わせに際し、顧客情報を参照しながらスムーズな対応を行うことは、顧客の不満や疑問の解消や信頼感の醸成に役立つはずです。

CRMのメリットは、売上拡大に直結する営業支援、マーケティング支援、サ ポート&サービス支援の面だけではありません。スケジュールやタスク管理といった社内のコミュニケーションの円滑化や、ドキュメントなどのナレッジ共有に より、社内のコラボレーションも進み業務効率も上がります。また、個々の顧客情報を集計・分析することで、経営層へのレポーティングも楽になります。顧客の全体傾向を把握したり、経営上重要な指標を随時チェックすることで、課題の早期発見やスピーディーに次のアクションを起こすことができるようになります。

CRMがカバーする業務領域

顧客ニーズが多様化するとともに、競合企業との競争はいっそう激しさを増しています。こうした時代において、新規顧客を獲得するためにかかるコスト は膨らむばかりです。顧客情報や進捗情報を共有し営業効率を高めることで、案件化率や成約率を高めることが重要です。また一方で、一度成約した顧客に対し ては、その関係性をより深め顧客の課題解決につながる商品・サービス提案をし、リピート率を高めることが効果的です。それらの実現を手助けする道具が、 CRMツールと言えるのです。

中小企業こそ、CRMで業績を拡大

こうしたCRMは、当初は大企業を中心に広がりました。しかし、今日では、多くの中小企業で活用されています。コンピューターの高速化・低価格化や インターネットの高速化、クラウドを活用したITインフラの進歩などによって、「初期費用が少なく、利用に応じた課金モデル」といった、IT資産を自社で 持たなくても短期間で導入できるSalesforceのようなクラウドでのサービスが登場しているからです。

コスト面だけではなく、「つねに最新の仕組みを利用できる」ことも、中小企業にとってメリットです。進化のスピードの速いIT技術を、自社保有の IT資産に組み入れていくには大きな投資が必要です。しかし、Salesforceであれば、最新技術にも自動的に対応し、常に企業内に変革を起こすこと ができます。

最新技術の一つの例が、モバイル端末への対応やソーシャルメディアへの対応です。今日、企業と顧客との接点は、客先訪問、店舗、電話、FAX、 Webサイトだけにとどまりません。FacebookやLINEなどのソーシャルメディアやスマホアプリも重要な顧客接点として位置付けられています。企 業はこれらの顧客の変化に対応する必要があります。 また、営業活動にも、今後はス マートフォンやタブレット端末などのモバイル端末の活用が増えていくことでしょう。これまで外回りの営業担当者がすぐには確認できなかった情報に外出先か らアクセスしたり、外出先から新しい顧客情報を登録できるようになれば、営業力や顧客対応力は着実に底上げできるはずです。

CRMによって、営業プロセスや業務プロセスを改革し、蓄積した顧客情報を上手く活用して成約率、リピート率を高めていけるか否かが、企業の業績を左右することになります。