Salesforceにとって社会貢献活動は、1999年の創業以来、アイデンティティの中核をなしてきました。従業員が収益に貢献するだけでなく、地域社会にも貢献していることを認識する文化を「1-1-1モデル」(就業時間の1%、株式の1%、製品の1%を社会に還元するモデル)を通じて築き上げてきました。そして数年前からは、さらなるインパクトを目指したSalesforceらしい社会貢献のあり方を再検討していました。しかし2020年に発生した新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、その流れは一変します。ビジネスにおけるDXの推進や働き方の変化と同様に、社会貢献のあり方もこれをきっかけに、大きく進化しました。それが「シチズンフィランソロピー」です。
2021年度よりSalesforce社内で開始したシチズンフィランソロピープログラムは、個人が、それぞれの持つ時間、スキル、リソースを提供することで、社会に真の変化をもたらすことができるという信念に基づいたアプローチです。私たちが生み出す社会的なインパクトについて、量よりも質を重視した取り組みで、「インパクトマイルストーン」と呼ばれる20の指標を設定しています。例えば、ボランティア活動に継続的に参加している、同一の非営利団体へボランティアだけでなく寄付をしている、また、Salesforce全社で取り組むグローバルキャンペーンへの参加、などそれぞれの指標に基づく社会貢献活動を実施するとシステム上でバッジが付与され、インパクトを可視化することが可能となりました。さらに、このインパクトマイルストーンについて一定の貢献をした従業員は「インパクト Trailblazer(トレイルブレイザー:先駆者)」として社内全体に認知されると同時に、さらなる貢献を促進するためにマッチング寄付制度(会社が従業員の個人寄付に対して同額を寄付する制度)の従業員個人に対する年間予算が倍増します。これらの仕組みにより、従業員は共感する社会課題に対してボランティア活動や寄付を行うことができ、自身を取り巻く世界にポジティブな影響を与えるための努力を続ける原動力となっています。
日本・韓国オフィスでもこのプログラム開始後、多くの従業員が、教育や労働力開発、コミュニティ支援、メンタリングやプロボノ活動など、シチズンフィランソロピーに基づいたインパクトのある活動に取り組んでいます。
ここでは、自分の時間やスキルを活用して貢献した従業員や、寄付を行った日本・韓国オフィスの5名の従業員を、インパクトTrailblazerとして紹介します。
従業員による有志のグループである社会貢献委員会において、分科会プロジェクトであるSTEM教育チームのリーダーとしてプログラムをリードしています。助成先との協働事例であるコンピュータクラブハウス加賀(特定非営利活動法人 みんなのコード)では、10代の学生が主体となって運営するユースカウンシルの立ち上げ支援に取り組み、子どもたちがテクノロジーを活用してつながり、新しいアイデアを生み出していく場を創出しています。
また、コミュニティ施設での子ども向けプログラミングワークショップで多くの従業員(延べ30名)とともにボランティア講師として参加し、たくさんの子どもたちが平等にテクノロジーに触れられる機会を作っています。
写真:コンピュータクラブハウス加賀のみなさんとの活動の様子 (左上2番目が大辻)
韓国オフィスでは2022年4月に初めて新卒入社の従業員を迎えています。Hyerin、Kyungjin、SunJaeの3名は入社後まもなく、社内で「Cloud Market」 と題したボランティア企画の呼びかけを行いました。賛同した従業員がオフィスに持ち寄った不用品を必要な人が購入し、集まった代金を WWF (World Wildlife Fund)に寄付する、というものです。また、引き取り手がなかった物はBeautifulStore Foundation に寄贈しました。ボランティア時間という機会を積極的に活用し、Salesforceのカルチャーを体現しています。
写真:韓国オフィスでの社会貢献活動の様子
これらのエピソードは、企業市民による社会貢献がいかに大きな影響力を持つかを示しています。世界や地域で起こっていることを意識しながら、Salesforce従業員は、自分たちの心に響く活動や組織を支援するために行動を起こしています。
しかし、この活動は私たちだけでは終わりません。エコシステムの皆様と取り組むべき課題はたくさんあります。Salesforceのシチズンフィランソロピーの取り組みについて、詳しくはこちらをご覧ください。また、地球と社会のより良い未来のために私たちが今取り組んでいる#TeamEarth についてはこちらをご覧ください。