IT未経験でもSalesforceのスキルとCRMのビジネススキルを学び、資格を取得できる場をオンラインで無償提供し、キャリアチェンジを支援するPathfinderプログラム(※1)。子育てをしながらプログラムを受講し、賛同パートナーへの転職を決めた2021年の受講生お二人に、参加の動機や学習で得たもの、今後のキャリアパスなどについてお話をうかがいました。

 


 

【 第1期卒業生:S.I.さん 】

 

事務職として豊富な職務経験があり、かつ仕事と家庭を両立させてきたS.I.さん。将来を見据えてスキルを身につけたいという思いから、IT未経験ながらPathfinderプログラムへの参加を決め、今は総合ITソリューション企業で仕事に邁進しています。

―過去の職務経験について教えてください

大学卒業後、生命保険会社や損害保険会社、メーカー、大学などで計10年ほど、事務職として庶務業務全般を行ってきました。WordやExcelなどは業務で日常的に使っていましたが、ITに関する知識はまったくなく、Salesforceに関しても未経験でした。

―なぜ前職までとは異なるIT分野の人材育成プログラムに応募しようと思ったのですか?

出産・育児のために一時離職していたのですが、子どもが小学生になって少し手を離れてきたので、この時間を利用してなにか新しいことにチャレンジしたい、と思ったことがきっかけでした。それまでは、家庭との両立のしやすさという観点から、時間の融通が利く派遣やパートの仕事を選んできたため、私にはこれといったスキルがなく、このまま年齢を重ねていくことに漠然とした不安を抱いていました。そんな中、たまたま人材紹介会社の株式会社WarisさんからPathfinderプログラムのご案内をいただき、とてもおもしろそうだと思って、応募することにしたのです。

―Pathfinderプログラムのどこに魅力を感じましたか?

まず、Salesforceをゼロから学べるカリキュラムがしっかり組まれていて、学習のイメージがついたことです。Salesforceはコードを書かなくていいので、私のようにIT未経験でもものになるのでは、と感じました。それから、他の受講生の方と一緒に学べる環境も魅力的でした。以前、あるオンライン学習プラットフォームで自主学習を始めてみたものの、一人だとモチベーションの維持が難しく、長続きしなかった経験があったので……。また、過去に利用したオンライン学習プラットフォームと違って無償であることも、参加を決める要因になりました。

―不安はありませんでしたか?

私の場合、子どもが学校へ行っている間に時間を確保できますし、「なんでも一所懸命取り組めばできるのではないか」と思っていたので、不安はあまりありませんでした。また、学習中にわからないことが出てきても、運営の方に質問に答えていただけることや、同じ目標や悩みを持つ受講生の方が周りにいらっしゃって、一人で悩まずに進めていけることも、大きな安心材料になりました。

そして実際に参加して、Pathfinderプログラムは本当によく考えられた仕組みだと実感しました。運営の方に対して、Slackで1週間ごとに学習の進捗状況などを報告したり、個別に質問したりする環境が用意されていることは、特にモチベーション維持の面で非常に有益でした。

―Pathfinderプログラムではどんなことをどのぐらいの期間で学びましたか?

フェーズ1では、講義と自主学習を通じて、約2か月半で認定アドミニストレーターの資格取得に必要な知識とスキルを習得しました。続いて、資格取得後のフェーズ2では、要件定義から設計、開発、テストまでという、実務に近い形の総合演習を約2か月かけて行い、最後に受講生一人ひとりが成果を発表しました。

仕事のあとに学習されている方が多い中、私は時間を確保しやすいという点でとても恵まれていましたし、人の倍ぐらいのペースで勉強しないとついていけないという危機感があったので、通常1周で終わるTrailhead(※2)を2周こなしました。夕方や夜など、家事の集中する時間帯にも講義はありましたが、講義をしっかり理解しておくと、その後の自主学習の内容が頭に入ってきやすいので、「全身を耳にして聞かなければ」という気持ちで参加していました。

―運営スタッフや他の受講生とのやり取りで印象に残っていることは?

フェーズ2に入って難易度が一気に上がって途方に暮れていたとき、その気持ちを察した運営の方から、「どこから手をつけたらいいかわからないと思いますが大丈夫です」というお話があって、とても安心したことが印象に残っています。

また、周りの受講生の皆様は、さまざまなバックグラウンドをお持ちで、非常に学習意欲の高い方ばかりでした。課題とは別に、私には思いもよらないような機能を自主的に作ってSlack上で発表する方がたくさんいらっしゃって、とても刺激になりました。

―フェーズ3のキャリアサポートを経て、賛同パートナーの株式会社セラクを再就職先に選んだ理由は?

認定アドミニストレーターの資格を取得し、総合演習でSalesforce導入の一連の流れを学んだとはいえ、やはり実務経験がまったくない状態で転職することには不安がありました。その中で当社には、Salesforce未経験の方がたくさん入社されていて、いちから育てていただける環境があると聞いて、それなら私でも一人前になれるのでは、と考えました。実際、入社前研修でSales Cloudコンサルタントの資格を、入社後研修で上級アドミニストレーター及びPardotスペシャリストの資格を取得することができました。

―現在どんな業務に携わり、今後どんなキャリアパスを描いていますか?

今はOJTで社内のSalesforceの管理にあたっていますが、近日中にカスタマーサクセス部門において、Salesforceを導入されているお客様の支援を担当する予定です。さまざまなお客様の課題をSalesforceで解決する仕事にやりがいを感じますし、給与面や福利厚生面も前職より向上し、とても満足しています。今後はさらに幅広い知識を身につけてたくさんの資格を取得し、お客様にSalesforceを活用した最適なご提案ができるようになりたいですね。

―Pathfinderプログラムへの参加を検討中の方に対してメッセージをお願いします。

Trailheadという学習ツールがあるとはいえ、一人で学び続けるのは非常に難しいことだと思います。Pathfinderプログラムでは、手厚いご支援をいただき、学習意欲の高い皆様と切磋琢磨しながら楽しく学ぶことができました。振り返ると、とても贅沢な環境と時間だったと思います。Pathfinderプログラムに出会う前、まさか自分がIT業界で働くことになるとは想像もしていませんでした。本当に人生が変わったわけです。参加をご検討中の方は、不安もあるとは思いますが、ぜひ一歩踏み出していただきたいと思います。

 

【 第1期卒業生:樫村由香さん 】

 

2人の子どもを育てながら、英文経理の分野でキャリアを積んできた樫村さん。IT業界への転身によって家庭と仕事の両立を図るべく、ITの知識ゼロからスタートしてSalesforceのスキルを身につけ、現在はデジタルマーケティング企業に勤務しています。

―過去の職務経験について教えてください

外資系の法律事務所で7年ほど、英文経理の業務に携わっていました。その後、派遣会社でも同様に英文経理の分野で働いていました。その業務でMicrosoft Officeなどの基本的なソフトは使っていましたが、ITに関する知識はまったくありませんでした。海外とやり取りする際にSalesforceも使っていましたが、あくまでユーザーとしてデータを入力していた程度の利用なので、理解していたわけではありませんでした。

―英文経理という引く手あまたの分野で豊富な職務経験がありながら、なぜPathfinderプログラムに参加してIT分野へ転身しようと思ったのですか?

中学1年生と小学3年生、2人の子育てと、毎日出社するという働き方の両立が難しくなった時期がありました。それをきっかけに、IT関連の仕事のほうが、リモートワークで働くという希望を叶えやすいのでは、と考えるようになりました。

加えて、派遣社員として勤務していたとき、「Salesforceの資格を持っている人材のニーズが高まってきているから、ぜひ資格をひとつ取得しておくといいよ」というアドバイスをいただいたことがありました。

そうした中で、人材紹介会社の株式会社Warisさんから、Pathfinderプログラムの案内メールをいただきました。Salesforceの資格を取得でき、転職も支援していただけるという、私の希望をすべて叶えてくれるプログラムだと感じ、絶対に参加したいと思いました。

―これまでと違う分野へ進むことに対して、不安はありませんでしたか?

最初は、私でもついていけるのかな、という不安は少しありました。ただ、説明会に参加して、初心者でもやっていけるプログラムであることや、わからないことはいつでも質問できる環境があることなどをお聞きして、それなら挑戦してみよう、と。当時私は離職中だったので、家族の前で「このプログラムに参加して再就職します!」と宣言したところ、家族も「応援する」といってくれました。

―Pathfinderプログラムではどんなことをどのぐらいの期間で学びましたか?

フェーズ1では、Trailheadをとにかく地道に進めましたが、用語が全然わからないところからのスタートだったので、当初はついていくのに必死でした。ただ、わからないことが出てきても、運営の方や周りの受講生の方にSlackで質問すると、返答していただけましたし、過去の質問と回答のやり取りはSlackですべて共有されていました。自主学習する上で、そういう環境はすごくありがたかったですね。IT未経験から約2か月半で資格試験に1回で合格できたのは、本当に皆様のおかげだと思っています。

フェーズ2は実務形式の総合演習ですが、ITの開発とはどんなものかをまったく知らなかったので、始まる前から楽しみにしていました。ついていくのは大変でしたが、皆様のご支援でなんとか乗り越えることができ、非常にいい経験になりました。

―苦労したのはどういう部分ですか?

やはり学習時間の確保ですね。家庭の仕事があったので、基本は隙間時間などを合わせて1日1時間から1時間半ほど、試験直前は土日のどちらかなど、使える時間をすべて注ぎ込みました。時間の都合でどうしても参加できない講義については、後日録画で確認することができました。

ありがたかったのは、運営の方が、周りの受講生の方の学習の進捗状況を示すグラフを毎週共有してくださったことです。それを見ると、周りの方よりも遅れているな、といった状況をひと目で把握できるので、どれぐらいの時間を確保すべきかがわかり、モチベーションも高まります。

また、非常に勉強熱心な周りの受講生の方々とのSlackでのやり取りも本当に励みになりました。バックグラウンドがバラバラで、対面でお会いしたことのない方ばかりなのに、Salesforceという“共通の言語”があるので、親近感や連帯感が湧いて、コミュニケーションが深まったのだと思います。Slackでの交流は今も続いています。

―再就職先に賛同パートナーのtoBeマーケティング株式会社を選んだのはなぜですか?

最大の理由は、経理のポジションを提案してくださったことです。今回の再就職までブランクがあり、いきなり大きなキャリアチェンジをするのは多少不安があったので、Salesforceユーザーとして経理を担当してはどうか、というお話を喜んでお受けしました。

Pathfinderプログラムによって、Salesforceの全体の構造や、現場の業務におけるSalesforceの活用法などを理解できたことは、今のポジションで業務を進める上で非常に役立っています。ただのユーザーとは違う、という自信を持って仕事に取り組めていますし、今後はSalesforceの知識をもっと身につけて、さらに業務に役立てたいと考えています。

―Pathfinderプログラムへの参加を検討中の方に対してメッセージをお願いします

オンラインで完結するプログラムなので、子育てなどでまとまった時間を取れない方でも、隙間時間を捻出して参加できるのが大きなメリットです。また、ITの経験のない方でも、初心者向けのカリキュラムで手厚いサポートを受けられるので、安心して取り組めると思います。

プログラムに参加していなかったら、今、自分がこうして働かせていただくことはなかったのだと思うと、決断してよかったと心から思います。私がそうだったように、勇気を持って一歩踏み出すことで、未来が大きく変わることはあります。参加したいとお考えの方には、ぜひその気持を大切にしていただきたいですね。

 

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※1 2018年に米国においてSalesforceとDeloitteが共同でスタートしたDX人材育成プログラム。CRMやSalesforceでキャリアを積むために必要な技術およびビジネススキルを身につけ、就業機会を提供する労働力開発イニシアチブ。日本版の「Pathfinder」を2021年より開始している。

※2 スキルの取得と既存スキルの向上を目的としたSalesforceのオンライン学習プラットフォーム

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学ぶことはすべてのはじまり

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