本ブログは、2019年4月10日に米国セールスフォース ・ドットコムが公開したブログ記事の抄訳です。
企業にとって、顧客に優れたサービスを提供することは必要不可欠です。82%のカスタマーサービス部門のリーダーが、競争力を維持するためにはこれまで以上にエージェントを重要な役割と捉え、企業のカスタマーサービスを変革しなくてはならないと考えています。エージェントはあらゆる顧客とのやり取りにおいて最前線に立つ存在であり、多岐に渡る問題の解決や、クロスセル機会の発見、さらには素晴らしい顧客体験を提供するために重要な役割を担っています。
このように重要な役割を担うエージェントを支援するために、セールスフォース ・ドットコムではAIによるレコメンデーションやルーティング、生産性向上ソリューションを新たに発表していますが、当社だけではすべての課題を解決することはできません。モダンなコンタクトセンターは複雑化かつ多様化しており、企業はチャネルを横断したカスタマーエクスペリエンスを提供するために、いくつもの異なるシステムを有機的に統合する必要があります。
そこで、セールスフォース ・ドットコムは、 Google 社との戦略的パートナーシップを拡大し、インテリジェントなコンタクトセンターの構築を支援します。Salesforce Service CloudとEinstein AI、Google Cloud Contact Center AI を連携することで、柔軟性の高い統合AIが支援するカスタマーエクスペリエンスの提供を実現します。
最初の取組みとしては、サポートチャネルとして最も利用されているテレフォニーサービスに関するコンポーネントの提供となります。そこで、 Google Cloud のContact Center AI (CCAI)ソリューションとService Cloudを統合することで、音声によるやり取りから得られるインサイトをエージェントに提供します。Contact Center AI とService Cloud、Einstein AI、テレフォニーサービスを提供するパートナーから成るSalesforceのエコシステムにより、リアルタイムで音声会話のテキスト化を行い、Salesforceへインテリジェンスシグナルを提供、それらシグナルにもとづきナレッジ記事を推奨したり、顧客へ最適なオファーを案内することができるようになります。これにより、エージェントは顧客から寄せられる複雑な問題をスピーディに解決したり、顧客に最適な関連商品のアップセルを提示、さらにはAIによるインサイトを得てコンタクトセンター全体の運営を改善することが可能になります。
次に取り組むのは、チャネルや言語を横断した自動サポートの拡大です。 Google 社が提供するDialogFlowの自然言語処理(NLU)機能をEinsteinボットへ拡張することにより、日本語、ポルトガル語、ロシア語を含む20以上の言語で顧客とのやり取りを実現するだけではなく、会話から住所や名前、ロケーションといった情報を識別したり、顧客の満足度を把握するためにセンチメント(感情)の分析や、システムからエージェントへのエスカレーションが必要なタイミングを把握することも可能になります。
セールスフォース ・ドットコムとクラウド型コンタクトセンター領域におけるパートナーであるFive9のお客様であるHuluは、 Google Cloud との連携ソリューションのパイロット版をご利用いただく最初のユーザーとなります。
HuluのVP、Viewer Experienceであるカレン・ヴァン・カーク氏は次のように述べています。
「Huluでは、プレミアムTVをはじめとするサービスを通じて、顧客といかにつながり、優れた体験を提供していくかがいかに重要かを理解しています。この度提供されるAIの新機能は、お客様に素晴らしい体験を提供する上で重要な鍵となると信じており、Salesforce、Google Cloud 、Five9を導入することを楽しみにしています」
本記事で紹介した機能は現在パイロット版として限定的に一部のお客様へ提供しています。