顧客から企業に寄せられる期待値は、日々上昇し続けています。それにつれて、あらゆる立場のビジネスパーソンに求められる、成功のための条件も変化しています。 迅速な対応が要求される一方で、強固な信頼関係にもとづく、パーソナライズされたコンサルティング体験が不可欠な時代を迎えています。 営業担当者は、こうした相反する要求にどのようにして応えればいいのでしょうか?
当社の調査チームは、全世界2,900人を超える営業プロフェッショナルにアンケートを実施し、営業の世界で起こりつつある変革の実態を明らかにするとともに、この新しい環境で成果を挙げているチームの方法論を探りました。 ここでは、現代の営業を取り巻く5つのトレンドをご紹介しましょう。
複数の調査が明らかにしたところでは、 58%の消費者と77%の企業の購買担当者が、テクノロジーの進化に伴い、取引先企業の顧客対応への期待値が大きく変化したと答えています。 こうして、ますますパーソナライズされた対応が求められる時代で、顧客の要求に最前線で応える立場にあるのが営業担当者です。 営業の成果を測定する指標として、僅差ながらトップになったのは顧客満足度(CSAT)でした。
営業担当者は過酷な要求にさらされています。さまざまなタスクや要求に追われ、営業活動や顧客対応に割くことのできる時間が、全体の3分の1にまで減少しているからです。 その上、新しい様々なKPI対する責任も増大し、ノルマの達成はますます困難になっています。 営業担当者の57%が、今年度の売上目標を達成できそうにないと回答していますが、これは無理もありません。
営業の基盤となるのは顧客との関係です。有能な営業担当者は、顧客の要求に注意深く耳を傾け、細部まで注意を払うなど、さまざまなソフトスキルを駆使して、目に見えない信頼関係を構築します。しかし、こうした営業担当者のスキルをサポートするためにますます活用され始めているのがデータにもとづいたインサイトです。 豊富なデータを活用することで、リードの優先順位付けと予測をより効果的に行うことができるようになり、これがトップクラスの営業チームの成功をけん引しています。 データを活用して購入意思の高い顧客やアカウントを絞り込むことで、営業担当者は、適切な見込み客との付加価値の高い関係の構築に専念できます。 現在では、主にデータ分析にもとづいてリードの優先順位付けを行っている企業は、直感に頼って絞り込みを行う企業の2倍に達しています。
営業組織におけるAIの導入はまだ始まったばかりです。しかし、多くのチームは、この新たなインテリジェンスによる生産性向上を確信しており、急速に普及していくと予想しています。 調査によれば、営業担当者とマネージャーの大多数は、チームの困難なタスクに対して、AIが今後5年間で多大な効果をもたらすと予想しています。 優先すべきリードを選別するためのガイダンスや、優先して返信すべきメールの判別、そしてデータ入力の自動化まで、ユースケースは多岐にわたります。 営業の仕事がAIに奪われるのではないかというという懸念がしばしば話題に上ります。しかし、すでにAIを導入しているチームが、導入していないチームよりも速いペースでスタッフの増員を進めていることは、データから明らかです。 AIは今後も成長が期待されます。その導入率は、2020年までに155%増加すると営業のリーダーたちは予想しています。
営業の基盤が顧客との関係にあることは、今後も変わりません。しかし、今回の調査で明らかになったのは、営業担当者が、ますます多くの時間をオンラインでの営業活動に費やすようになり、顧客との関係はさらにバーチャルなものへと変貌しつつあるということです。 事実、過去3年間で、営業担当者が、オンラインで顧客と接している時間の伸び率は、直接面談している時間の伸び率の3.2倍に達しています。 各チームの人材モデルもそうした実情を反映して、内勤の営業担当者と営業開発スタッフの増員が行われています。
昨今の顧客は、取引先企業を単一の存在と見なし、その企業との交渉全体がコンテキストに沿ったパーソナライズされたものになることを求めています。そのため、営業も含めた、あらゆるチームのコラボレーションによるアプローチが必要な時代になりました。 こうしたアプローチを可能にするため、チームは、社内の顧客データの自由かつオープンな活用を進めています。 81%のチームが、カスタマージャーニー全体にわたって総体的にデータを把握する必要があると回答しました。 そうしたデータを得るためには統合システムの導入が不可欠ですが、トップクラスのチームにおける導入率は、業績が伸びないチームの2倍以上となっています。
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