“Salesforce流働き方改革”を
「テレワーク・デイズ」で実践

ICT(情報通信技術)を活用し、個々人がそれぞれの状況に応じて働き方を柔軟に選択することによって、仕事と生活を両立させ、相乗効果を生み出す。テレワークという勤労形態が社会的に大きな注目を集める中、政府が働き方改革の切り札として2017年から推進しているのが「テレワーク・デイズ」(2017年時点での名称は「テレワーク・デイ」)です。2018年も前年と同様、2020年東京オリンピックの開会予定日である7月24日を「コア日」として7月23日~27日の週に実施され、全国1682団体が参加しました。
これまでにも当社は、単なる生産性の向上にとどまらない働き方改革を提唱し、実践してきました。ワークスタイルを確立して労働効率を上げると同時に、ライフスタイルを確立して従業員の満足度を高める。その結果としてワークライフバランスを実現し、イノベーションの創出につなげる。これこそが“Salesforce流働き方改革”です。
当社は、今回のテレワーク・デイズについても、「期間中2日以上実施」「7月24日に100名以上実施」「効果測定」という形で協力する、特別協力団体として参加しました。その中で、従業員が日頃から掲げている働き方改革をどのように実践したか、その模様をレポートします。

働く「場所」を問わないテレワークにより
革新を生み出す働き方を体感

まずは7月24日。この日は、全参加団体が一斉にテレワークを実施し、交通混雑の緩和や消費支出の変化などの効果を測定する「コア日」と設定されています。その背景には、2020年にオリンピック・パラリンピックの開催されるこの期間に合わせ、多くの企業・団体が、いわば予行演習としてテレワークを毎年実施することで、交通機関の混雑を解消する見通しが立つのではないか、という狙いがあります。
当社ではこの日、従業員の働く場所や方法について、特に指定や制限を設けませんでした。その結果、各従業員は、自宅はもとより、コワーキングスペースやシェアオフィス、喫茶店、ビジネススクールなど、思い思いの場所で業務に臨んだようです。
Salesforceのクラウド型社内SNSツールであるChatterには、そうしたさまざまな場所から、テレワークの利便性や快適性に関するコメントがリアルタイムで数多く投稿されました。

「WFH(※編注:ワーク・フロム・ホーム、在宅勤務)をしています。通勤ラッシュや酷暑を感じることなく、快適に仕事ができております! 」(新卒採用チーム TJ氏) 「WFP(ワーク・フロム・パーク)@善福寺公園(中略)公園を歩くことは心身の健康(リフレッシュ)にも良く、こういう景色を眼前に働くと生産性が向上し、インスピレーションが湧く気がします」(デジタル・イノベーション事業統括 TA氏)
生産性向上だけでなく、気分を一新して前向きに仕事に取り組み、イノベーションを生み出すという、まさに当社の目指してきた働き方を各自が体感したようです。

コミュニケーションの不安なし!
Chatterが実現する「普段通りの業務」

一般に、テレワークには多くのメリットがある反面、少なからずデメリットもある、との評価がなされています。課題の最たるものは、対面ではなく、テレビ会議システムやチャットツールなどを利用したコミュニケーションに対する不満と不安でしょう。
その点、当社の場合、全従業員が日常的にChatterをはじめとするコミュニケーションツールを多用しているため、普段と変わらず業務に取り組めたようです。それどころか、 「働き方の幅を広げ自由度が上がっても、社内コミュニケーションツールを使うことで社内外を問わず情報が共有できるので便利」(インサイドセールス本部コマーシャル事業部第一営業部 YJ氏)
「私のチームでは、業務の性質上メンバー全員が顔を合わせることが少なく、(中略)みんなでプロジェクトやるのに、対面である必要はそれほど感じていません」(インサイドセールス本部 営業戦略室 SY氏)
など、むしろテレワークによってコミュニケーションツールの優位性を再認識した、というコメントが多々見受けられました。そうした点が、当社にとって今後もテレワークを実践する上で大きなアドバンテージとなるはずです。


東京・神保町のコワーキングスペースで勉強会に参加する従業員たち。
Chatterには「普段とは異なる場所で働くことにより、新しい出会いやアイディアも生まれる可能性がある」など、
テレワークのメリットを実感したというコメントが数多く寄せられた。

秩父の山あいの廃校で
インサイドセールスに挑戦!

さらに7月27日には、インサイドセールス本部が主体となり、今回が初めてとなる企画に挑戦しました。その舞台となったのは、埼玉県秩父郡にある廃校でした。
芦ヶ久保小学校は、1903年に開校した、木造2階建て校舎や体育館などからなる、山あいの小さな学校。2008年の閉校後、レンタルスペース・多目的施設として生まれ変わり、映画・ドラマの撮影やイベント、会議・研修などの場として活用されています。
27日午前9時、1日平均乗降人員478人という最寄りの西武秩父線芦ヶ久保駅を降り、体育館に集まったインサイドセールス本部のスタッフは総勢40名。小学校という場所にちなみ、この1日“校長”を務めたコマーシャル事業部/スタートアップ戦略部事業部長の鈴木淳一氏は、企画の趣旨についてこう語ります。
「クラウドのソリューションを提供する企業として、どこにいても通常と同じクオリティで仕事ができることを証明する日にする、というのが大前提でした。廃校というロケーションは仕事場としてあまりなじみがなく、新鮮でわかりやすいですし、環境もいい。通信環境もポケットWifiを併用すればまったく問題ありません。ここでなら、働く場所を問わない「テレワーク」の実現性が実証でき、、美しい自然の中で、仕事と安らぎの両方を得ることができるという期待がありました」(鈴木氏)

生産性、通常の1.5倍!
「すごく集中できる」

「朝の時点では、“安らぎ一辺倒”になってしまうかも、という多少の不安があった」という鈴木氏の心配をよそに、各従業員は着々と成果を上げていきます。“生徒会長(リーダー)”として本企画の運営チーム“生徒会”を率いた、第一事業部第四営業部の松下一郎氏もそのひとりです。
「今日は通常業務以外に企画運営の仕事も多いのですが、それでも午前中に2件のアポイントを取るという目標を達成できました。普段、午前中に1件も取れないこともありますから、今日の午後はよりリラックスして仕事に取り組めそうです。聞こえてくるのはセミの鳴き声や電車の通る音だけ、都会のようにザワザワしていないので、すごく集中できています」(松下氏)
畳敷きの“家庭科室”に陣取ったコマーシャル事業部第四営業部の新田有香里氏のチームも、それに勝るとも劣らない成果を上げています。
「午前中、8名のチームで3件のアポイントを取ることができました。生産性はいつもの1.5倍です。要因としては、オフィスで働いているときより時間の使い方を意識して集中できていることや、皆がひとつの教室の中で顔を合わせているので会話しやすく、チーム内のコラボレーションを図りやすいことなどが挙げられると思います」(新田氏)
本企画の実施前、新田氏のチーム内では、通信環境の不備や酷暑、通勤時間の長さなどへの不安から、通常業務の1日としてカウントできないのでは、という声が上がっていたそうです。そうした予想をいい意味で裏切る結果に、新田氏は笑みをこぼします。

「テレワーク・デイズ」は
営業面でも貴重な体験に

昼休みには、全スタッフが体育館に集合して昼食をとったのち、営業チーム対抗のドッジボールでリフレッシュ。新たな気持ちで午後の業務に臨みました。そして14時30分からの1時間は、当社で日頃から取り組んでいる「セールスフォース・ドットコム ファンデーション」(ボランティア活動)の時間。全国から集められた換金可能な使用済み切手の仕分け作業に全員が参加しました。高額な切手が見つかるたびに歓声が上がるなど、いい気分転換になったようです。

鈴木“校長”は、そうしたスタッフの様子を見て、こんな感想を漏らしました。
「必ずしも電話をガンガンかけなくても、この環境ならではのゆったりとした気持ちで、お客様への電話やメールを丁寧にこなしていけば、ちゃんと成果を出せる。また、オフィスだと『仕事が終わらなければ残業すればいい』という考え方になりがちですが、今回のように皆で集まって12時から昼食、14時半からボランティアと決まっていると、『それまでにやらないと』という気持ちが働いて、仕事にメリハリが生まれる。そういう多くの発見がありました」(鈴木氏)
当社は、テレワークに欠かせない数多くのクラウドソリューションをお客様に提供しています。しかし、ソリューションがどれほど優れていても、それをテレワーク環境で実際に使い、生産性を担保できるという体験が伴ってはじめて、その優位性をお客様に説得力をもって伝えることができます。その意味でも今回の『テレワーク・デイズ』は、多くの従業員にとって貴重な経験となったのではないでしょうか。


朝礼で体育館に集合したインサイドセールス本部のスタッフ40名。
鈴木淳一“校長”から「どんな場所でも会社と同様に生産性を高められることをしっかりと実証してほしい」との訓示があり、
各人が気を引き締めてテレワークに臨んだ。


レンタルスペース「あしがくぼ笑楽校」の教室や図書室、ベランダなど、思い思いの場所でテレワークに取り組むスタッフたち。
集中しやすい静かな環境の中、普段以上の成果を上げるスタッフやチームが続出した。


企画目標を達成し、最後に1枚。
「限られた時間の中でいかに生産性を向上させるかを考えるいいきっかけになった」(コマーシャル事業部第三営業部 三平彩夏)など、
各人にとって労働効率やワークライフバランスについての考えを深める貴重な1日となったようだ。