Salesforceが2003年から毎年開催している世界最大のソフトウェアカンファレンス「Dreamforce」 。世界中からさまざまな業種、業界をリードするTrailblazer(先駆者)たちが集まり、4日にわたってキャリアの変革やイノベーション、社会貢献などについて意見交換を行い、絆を深めます。

Dreamforceでは、毎年Salesforceの会長兼CEOであるマーク・ベニオフがSalesforceが描く未来のビジョンを提示し、Customer Success Platformの主要なイノベーションについて発表しています。ユーモアとインスピレーションにあふれ、示唆に満ちた今年の基調講演も、例年に違わずDreamforceキャンパスを埋め尽くした来場者の皆様と、オンラインでご覧いただいた数百万人の視聴者を魅了しました。今回は、その基調講演のハイライトをご紹介します。

We Are All Trailblazers:誰もがトレイルブレイザー(先駆者)に

ハワイの伝統的な祈りとフラダンスで開幕を迎えた後、マークが登壇し、ついに基調講演が始まりました。アディダスのクールなスニーカーを履いたマークは、1 時間半にわたる講演の間に何度もメインテーマに立ち返りました。それは、誰もが「Trailblazer(トレイルブレイザー:先駆者)」となり、世界をより良い場所にすることができる、ということです。

「Trailblazer」とは、どのような人を指すのでしょう。開発者やシステム管理者、営業部門のリーダー、マーケター、CEOのように、お客様のイノベーターであり、革新的な技術をもたらし、世界を形作る人たちはすべてTrailblazerです。ATX Girly Geeksの創設者であり、Salesforceについて学ぶためのコミュニティ、「Salesforce Saturday」を作った Stephanie Herrera 氏(詳しくはこちら(英語))もTrailblazerの 1 人です。基調講演では、Herrera氏を紹介する感動的な動画が会場に流された後、マークはHerrera氏を紹介し、会場にいるSalesforce Ohana(「家族」を意味するハワイ語。Salesforceでは、家族のような信頼関係と絆で結ばれた仲間を "Ohana" の一員だと考えています)が彼女の業績を称えました。Trailblazerには、一人ひとりにそれぞれの物語があり、共通点もあります。それは最高の自分になろうとし、その過程で他の人の助けにもなることです。

世界に影響を与えるSalesforceエコノミー

続いてマークは、 Salesforce の成長と成功は、お客様やパートナー、社員が築き上げた強力なエコシステムによるものであると述べました。Ohanaが築いた巨大な Salesforceエコノミーは、2022年までに世界で330万件の雇用と、8,590億ドル以上の売上を生み出すと予想されており、ともにより良いビジネス、より良い世界を実現していきます。Salesforce独自のビジネスモデルは、コアバリュー平等への取り組み社会貢献モデルなどによって、企業が成長を遂げると同時に、ビジネスが変化を支えるプラットフォームになり得ることを証明しています。

第4次産業革命がもたらす機会

今年の基調講演のもう1つの大きなテーマは、第4次産業革命(4IR)についてでした。世界は今、経済や社会、日常生活を根本から変える、イノベーションとテクノロジーの嵐のまっただ中にあります。人工知能、ロボット工学、IoTなどのテクノロジーは、瞬く間にカスタマーエクスペリエンスを一変させました。

  • 顧客の期待が変化している
  • データとインテリジェンスを活用する製品が増加
  • これらの変化に対応するため、企業はデジタル変革が必要

第4次産業革命の背景には、知識が豊富で、常につながっている顧客の存在があります。顧客は、やりとりをするあらゆる企業に対してシームレスなエクスペリエンスを期待しています。マークは、各地でお客様とふれあい、基調講演のリハーサルを繰り返すうちに抱いた印象について語りました。多くの人が第4次産業革命がもたらす変化について不安や不透明感を抱いており、顧客とのつながりを深めることができずに、共感を得られずにいると感じている企業も存在します。一方で、第4次産業革命がもたらす課題にうまく対処し、顧客と新しいカタチでつながっている人々もいます。彼らこそTrailblazerです。Trailblazerは、第4次産業革命のなかで「カスタマーサクセス」を推進していくことになるでしょう。Salesforceは、この新しい時代で成功するために必要なスキルとテクノロジーを提供していきます。

スマートでパーソナライズされた Customer Success PlatformでTrailblazerを支援

Salesforce Customer Success Platformは、マーケティング、コマース、セールス、サービスの各ソリューションや、Trailhead、Einstein、Lightningなどを通じ、カスタマーサクセスの推進を可能にします。マークは、一連の新しいパーソナライゼーションツールの発表も行いました。これらのツールにより、よりスマートでパーソナライズされた Salesforceエクスペリエンスを提供できます。

"Salesforce には、極めてシンプルなものを Trailblazerに提供するというビジョンがありました。私たちはシンプルなことをシンプルに、困難なことを可能にしていきます。" - 米国セールスフォース・ドットコム 共同創業者 パーカー・ハリス

新製品のご紹介

  • myTrailhead – 独自のブランディングやトレイル、Trailmix を作成でき、企業の人材育成を支援します。
  • myEinstein – AI を活用するアプリを開発できます。
  • myLightning – 企業が独自にカスタマイズしたり、自社のブランディングを適用したアプリとUXを迅速かつ容易に、大規模に構築できます。
  • mySalesforce – 自社ブランドのためのモバイルアプリの開発と公開が容易にできます。
  • myIoT – Salesforce Platform で 顧客データと組み合わせたIoT構築が容易になります。

世界No.1のPaaSで、コーディングすることなく、または必要最小限のコーディングで柔軟なカスタマイズが可能になり、顧客を中心にビジネスを設計できます。

SalesforceとGoogle社の戦略的パートナーシップ

最後に、マークはサプライズとして、Google社とグローバルな戦略的パートナーシップを結んだことを発表しました。新たなパートナーシップにより、Salesforceと Google Analytics 360 および G Suiteの連携が可能になり、よりスマートにコラボレーションできるようになります。SalesforceとGoogle社のパートナーシップの詳細については、こちらをご覧ください。

この記事では、Dreamforce 2017 の初日のハイライトをレポートしました。Salesforce LIVE では、当日の模様を動画でご覧いただけます。また日本では、12月13日(水)にDreamforceで発表されたばかりのイノベーションや成功事例の一部をいちはやく体験できるイベント、Salesforce Basecampを開催します。この1年を見通すイノベーションの要素を10のセッションに凝縮してお届けします。ぜひご参加ください!詳しくはこちら

"私はすべてのTrailblazerからインスピレーションを得ています。Trailblazerは、革新者であり、新しい価値の創造で市場を切り拓くディスラプターであり、世界を形作る人たちです。未来をつくるのはTrailblazerです。私はその未来を信じています。Trailblazerが作るすばらしい未来を。" - 米国セールスフォース・ドットコム 会長兼CEO マーク・ベニオフ