私たちは今、人工知能(AI)の進化に向けた変曲点に立っています。AIは何十年間もにわたって研究され、同時にAIが活躍する未来を描いたSFの世界は、人々の想像を掻き立ててきました。

そして今日、コンピュータ技術の向上、ビッグデータおよびアルゴリズムの進歩によって、AIはメインストリームとなり、人々の暮らしのあらゆるところで実用的に用いられつつあります。Facebookは投稿された写真がどの友人にタグ付けできるかを特定し、アルゴリズムは医療診断を向上させ、生命を救っています。また、GPS搭載のアプリは交通状況のパターンを予測し、最適な運転ルートへ導いてくれます。

AI革命は私たちのビジネスにも影響を与えています。たとえば、セールスフォース・ドットコムはCRMに組み込むためのAI「Einstein」により、社員が営業やサービス、マーケティング、コマースなどの部門を横断して利用することができる機械学習のテクノロジーを提供しています。とりわけセールスフォース・ドットコムが重点を置いているのは、構造化データ、深層学習、自然言語処理、そしてコンピュータビジョン、つまり「ロボットの目」で、これらのテクノロジーを活用することで、お客様の業務の生産性をこれまでにないレベルにまで引き上げ、ビジネスにいい意味でのインパクトを提供しています。

AIの研究者としては、今が非常にエキサイティングな時期だと見ています。AIは、様々な角度から社会に貢献できる可能性を秘めたテクノロジーです。しかしAIが進化を続け、広範囲にインパクトを与えるようになると、信頼性と透明性、イクオリティ(平等性)のもとに進化することが重要となります。そこで、今回セールスフォース・ドットコムは「Partnership on AI to Benefit Society and People (人と社会に貢献するAIのためのパートナーシップ、以下Partnership on AI)」に参画することとなりました。

Partnership on AIは非営利団体で、AIの研究や検証、実動におけるベストプラクティスを開発したり共有することを目的として設立されました。ここで取り組むべき課題は、透明性やセキュリティ、プライバシー、価値、そして倫理です。加盟企業はここで議論を行い、連携するためのオープンで包含的なプラットフォームを提供し、世間に対してAIに関する理解や知識を高め、社会に貢献していくためのAI導入方法や効果を促進しています。

セールスフォース・ドットコムは、人々のビジネスを変革し、世界を向上していくことに尽力しています。「信頼性」、「イクオリティ」、「イノベーション」、そして「成長」はセールスフォース・ドットコムが取り組むあらゆることの中核となる価値観となっています。Partnership on AIは、AIを中心に多くの機会やチャレンジに取り組んでいる多様なグループの企業や機関、非営利団体で構成されています。セールスフォース・ドットコムは、このパートナーシップのメンバーになることで、これらの価値観をAIの領域にも広げていきます。

セールスフォース・ドットコムは、Partnership on AIのメンバーとして、AI領域で見出せるチャレンジや機会に対応していくために、AI Forum of New Zealand (AIFNZ)、Allen Institute for Artificial Intelligence (AI2)、Centre for Democrazy & Tech (CDT)、Centre for Internet and Society, India(CIS)、Cogitai、Data & Society Research Institute (D&S)、Digital Asia Hub、eBay、Electronic Freedom Foundation (EFF)、Future of Humanity Institute (FHI)、Future of Privacy Forum(FPF)、Human Rights Watch (HRW)、Intel、Leverhulme Centre for the Future of Intelligence (CFI)、McKinsey & Company、SAP、Sony、UNICEF、Upturn、XPRIZE Foundation nand Zalandoといった企業や機関、非営利団体と協力していきます。