InfoTrendsの調査報告によると、2017年に1兆2,000億枚以上もの写真が撮影され、わたしたちのコミュニケーション方法が変わり、新しいビジネスの可能性が開けるとしています。撮影された写真は、目録的なものや製品品質から消費者の動向や顧客の好みまで、重要なインサイトを含んでいます。これらを活用することで、企業は営業のリードを増やし、サービスの課題解決を自動化し、そしてマーケティングキャンペーンをより最適化することができるのです。
この度セールスフォース・ドットコムは、パワフルな新しいAPI群である「Einstein Vision」の提供を開始します。これにより、Force.comやHerokuの開発者といったあらゆるスキルセットの方々が、CRMに画像認識を活用したり、AI(人工知能)を組み込んだアプリの開発を迅速に行うことを可能にします。セールス、サービス、マーケティング部門を横断したエンドユーザーがよりスマートに、さらにプレディクティブに業務を行えるようにするために、開発者はあらかじめ学習済みの画像認識器を活用したり、あるいは自身で認識器をトレーニングして様々な画像認識の課題を解決することが可能になります。
Einstein Visionによって、クリックするだけで画像認識のテクノロジーをあらゆるアプリに簡単に組み込むことが可能になります:
Visual Searchは、顧客が好みに最も合う商品を探し出したり、撮影した写真の商品を購入できる店舗やオンラインストアなどを見つけることを可能にするビジュアルフィルタを提供します。
Brand Detectionにより、マーケターは、ユーザーがレビューボードやソーシャルメディアなどのさまざまなコミュニティへ投稿する画像を分析することで、マーケティングでリーチするカバレッジやブランドの整合性、広告キャンペーンのROIを向上させることができます。マーケターは、顧客の特性とライフスタイルを理解したうえで、顧客体験の改善を行うことができます。
Product Identificationによって、現場へ技術者を派遣する前に製品の問題を評価する機能や、どの製品が在庫切れであるか、棚での自社商品の専有率の測定などが可能になり、製品の組み合わせと販売可能性を最適化し、販売とサービスを合理化します。
例えば、ある小売や卸売の大手企業では、ホテルやレストラン、ケータリング部門での顧客選定プロセスを改善するためにEinstein Visionの画像認識テクノロジーを活用しています。Visual Search機能により、同企業グループの50名からなる営業チームは、どの顧客であればデジタルホスピタリティツールを購入してもらえそうかを、レストランのインテリアやメニュー、レイアウトを分類することで決定しています。正確なデータから見込み客を増やす作業には、これまで時間がかかりコストも高くついていましたが、Einstein Visionにより数分で処理することができます。また、数回のクリックでセールスのプロセスを合理化することが可能となり、新しいレベルのカスタマーサクセスを実現します。
Einstein VisionはSalesforce Researchで行われるコンピュータビジョンの飛躍的な研究結果をベースにしています。これは、セールスフォース・ドットコムが複雑なAIテクノロジーを顧客がシンプルに活用できるようにするために、最先端の研究を行っているかを示す最初の例でもあります。このように画像認識が進化したことで、企業は顧客のインサイトを知り、スマートな意思決定に結びつく成果を予測することが可能になり、「新時代のカスタマーサクセス」を実現することができるようになります。このAIテクノロジーで強化されたAPIを開発者のみなさんにうまく活用していただき、すばらしい製品や機能を開発していただけることを期待しています。
<連載 2017 Salesforce Einsteinのカタチ つづきはこちら>
Vol.2 Einstein Commerce Insightsが登場 よりスマートな顧客対応を実現