どの会社もそれぞれに個性的です。業種や地域、企業規模に応じて、その会社ならではの課題を抱えています。だからこそ、Salesforce が選ばれているのかもしれません。Salesforce は、業務にあわせてツールをカスタマイズしていくには、理想的なプラットフォームです。カスタム項目やカスタムオブジェクトを作成して、ソリューションを必要に応じてどんどん変えていけます。
かつて Quote-to-Cash(見積請求管理)の分野では、多くの企業が CPQ(製品構成、価格設定、見積)アプリケーションや請求アプリケーションを自社開発していました。Salesforce の既存のアーキテクチャやプラットフォームの機能を利用するのではなく、アプリケーションを独自に構築したのです。その結果、社内導入や、更新・変更の段になって、さらにカスタムコードを書くはめになっています。
確かに、Salesforce のプラットフォームでは、独自のオブジェクトを作成することができ、必要であればユーザーインターフェース(UI)でさえも作れます。しかし、過剰なカスタマイズの影響と、そこから派生する問題を認識しておくことも重要です。何より、カスタムコードがほとんど不要であることが、Salesforce の強みなのです。
Salesforce の CPQ ソリューションなら、標準装備されていない機能は、これまでと同様に開発できます。Salesforce のツールを使用して簡単にカスタマイズ、拡張でき、ほとんどの用途に対応可能です。しかしながら、大半のお客様はカスタムコードを書かなくても、Salesforce の CPQ アプリケーションを思いどおりに活用できるでしょう。
新たに機能を作るのではなく、標準的な Salesforce 機能を利用することで、製品の価値を最大限に引き出すことができます。カスタマイズはいつでも可能ですが、機能をゼロから作成するのはお勧めしません。
その理由を説明します。
Salesforce は、共通の UI や機能を最適化することに研究開発の的を絞っています。アプリケーションがこれらを活用する設計になっていれば、新しい機能がリリースされたら、すぐに最新の開発成果を採り入れられます。しかし、カスタムオブジェクトやカスタムコードに依存するアプリケーションでは、最新機能を活用できないかもしれません(少なくとも、すぐには無理でしょう)。
Salesforce のお客様には、ユーザーの意見にもとづいて加えてきた、プラットフォームの最新機能をどんどん使っていただきたいのです。要望の多かった機能は、それなりの労力を投入してお届けしているので、過剰なカスタマイズが原因でそれら機能を利用できないとしたら、あまりにも残念です。Salesforce の Quote-to-Cash 製品(Salesforce CPQ と Salesforce Billing)は、標準の Salesforce データモデルを最大限に活用しており、プラットフォームとともにその機能が強化され、品質が向上し続けています。
Salesforce は、数々の AppExchange ベンダーと良好なパートナー関係を築いています。パートナーでは標準の Salesforce データモデルを使用しており、Salesforce の統合ポイントと連携する手法を確立しています。このため、Conga など他のアプリケーションを Salesforce CPQ や Salesforce Billing と容易に連携させることができます。
AppExchange を活用し、Salesforce パートナーとの連携がスムーズになるソリューションを選択することで、お客様のビジネスの価値を高めることができます。
標準の Salesforce データモデルを使用する製品は、簡単に手早く導入できます。Salesforce CPQ と Salesforce Billing は、それぞれ 1 つの管理パッケージとして提供されるため、いくつものパッケージをインストールする必要がありません。インプリメンテーションをできるだけ簡単にしているのは、企業の負担を減らすためであり、導入プロジェクトを得意としているパートナーもいます。
シンプルに導入できることで、時間や予算面での負担が軽くなり、ソリューションの最適化に注力して、ユーザーの要望や業務要件に納得するまで取り組むことができます。さらには、導入プロジェクトの初期の対応範囲を広げ、後工程を前倒しすることさえ、できるかもしれません。短期間で簡単に稼動すれば、それだけ成果も早く生まれ、目標により近づくことができます。また、利用がスムーズに進み、生産性や満足度も高まるでしょう。
社内の Salesforce システム管理者は、標準機能に精通した貴重な人材です。管理者の持つ専門知識を活用し、仕事のしやすい環境を整えましょう。アプリケーションをシンプルにすれば、スムーズに動作するとは限らないカスタムオブジェクトを扱ったり、動かすためにさらにコードを書いたりする必要がないので、管理者は時間や労力を他のことに充てられるようになります。
標準の Salesforce データモデルを使用して構築された Quote-to-Cash ソリューションなら、管理者は生産性を高め、カスタマイズを迅速に行い、マウス操作だけで機能を変更することができます(新しい自動ワークフローの作成など)。
お客様は Salesforce ファミリーの一員であり、Salesforce という文化を共有しています。その一部である Quote-to-Cash 製品には、ユーザーの皆様が参加できるサクセスコミュニティがあります。コミュニティを通じてお客様同士がつながり、サポートしあうことができます。
同じ機能、製品を使っているお客様は、互いの考えをよく理解できます。標準の Salesforce データモデル上に構築され、カスタムコードが不要なソリューションを使っていれば、全員が同じ機能を使えることになります。だからこそ、ユーザー同士で学びあい、共有しているリソースから最大の価値を引き出すことができるのです。
サクセスコミュニティでは、サポートケースを登録して、Quote-to-Cash チームに問い合わせることもできます。Salesforce は、コミュニティでのやり取りを通じてお客様の声を聞き、機能に関する要望を製品に組み込み、改良を重ねています。汎用性の乏しいカスタム機能をその場しのぎに作るのではなく、機能をきちんと製品化してツールの質を高め、Salesforce のすべてのお客様に公開することこそ、お客様の利益になると考えています。
Salesforce を最大限に活かし、投資から最高の価値を引き出すには、Salesforce のプラットフォームやイノベーション、パートナー、そしてお客様同士の力をフルに活用できる Quote-to-Cash ソリューションをお勧めします。
Salesforce は、すべてのお客様がエクスペリエンスを共有できる、Quote-to-Cash ソリューションを提供しています。このソリューションでは、営業サイクルにおける新規顧客へのアプローチから売上金の回収まで、すべてが結び付き、同じシステム上で管理できます。そして、どのユーザーもこうした情報にアクセスでき、全員が一元管理された顧客情報を把握することができるのです。
Salesforce CPQ と Salesforce Billing は管理が容易で、Salesforce のプラットフォームとネイティブで連携するうえ、すぐに役立つ機能が標準搭載されています。プログラムをいじって CPQ ソリューションをカスタマイズすることで、お客様のニーズに個々に応えることもできます。しかし、Salesforce はすべてのお客様に、便利で柔軟な製品を提供することに重きを置いています。こうすることでお客様は、何かをゼロから組み立てるのではなく、Salesforce のツールの設定を通して、自社に最適な機能を実現すればよくなるからです。
Salesforce は標準のデータモデルを使うことに、あくまでこだわります。
なぜって?それは、既にあるものを賢く使えば、仕事はもっと楽になるから。
(本ブログは、米国で発表したブログ 5 Reasons to Click (Not Code) Your CPQ BY Max Rudman の翻訳版です。)