社会現象となったポケモンGOに代表される、モバイルやAR(拡張現実)。さらにはビッグデータ、IoT、人工知能まで。昨今ではビジネスにITは欠かせない存在になっています。しかし、非常に重要な位置を占めるようになった部門にも関わらず、「IT部門がプロフィットセンターとして認識されていない」と感じるご担当者の方も多いのではないでしょうか?
実際、総務省の調査(平成25年度ICTの経済分析に関する調査)によると、米国の IT 投資動向と比較すると、1995年を100とした場合に、米国では IT 投資額が 2012 年までの期間で約 5 倍に対して、日本は約 2 倍と伸び悩んでいます。ITにより企業競争性優位がもたらされる昨今、グローバルに日本企業の優位性を保つ上で少々心もとない結果ではないでしょうか。
(出所)総務省「平成 25 年度 ICT の経済分析に関する調査 報告書」(平成 26 年 3 月)をもとに弊社作成
ではIT部門がビジネスの核となり、イノベーションを加速させるためには、何をするべきなのでしょうか?Salesforce Researchが全世界2,200人以上のITリーダーとCIOを対象に実施した調査レポートから、これからの時代に企業のIT部門が求められていることを考えてみましょう。
本調査によると、今後5-8年間に絶対に不可欠、または非常に重要と評価している事項として、70%のITリーダー(回答者)が、「クラウドへの移行」を重要視しています。
この調査の結果、今後もっとも予算の拡大が見込まれるのは、モバイルアプリ、クラウドへの移行、サイバーセキュリティおよびインシデント管理の3分野でした。グローバルに平均した統計で見ると、いわゆる「攻め」と「守り」のIT活用でいうところの、「攻め」に関して大きく関心があることがわかります。
また、クラウドだけでなく、新興テクノロジーを積極的に導入することも非常に重要となります。ITのアーキテクチャ戦略および開発戦略において、IT リーダーが成長を見込んでいる領域としてトップ3に挙がったのは、「マイクロサービス」、「コンポーネント指向フレームワーク」、「将来にわたって使用可能な後方互換性のある開発方式」でした。
これらのテクノロジーを利用した開発基盤を活用することで、IT開発者は一からシステムを構築する必要がなくなるため、開発により多くの時間を割けるようになるのです。
企業のIT部門がこれからの時代を生き抜くためには、スキルギャップの解消や能力開発に加えて、ITチームの負担を軽減するためのクラウド移行や新興テクノロジーの導入が欠かせません。これらを活用することで、イノベーションをさらに加速させることが可能になるのです。
eBook『2016年版IT最新事情』では、ここで紹介した以外にもデータにもとづき、企業のIT部門がするべきことを紹介しています。IT部門がこれから担うべき役割を知り、イノベーションを加速させるための実践につなげていくために役立つはずです。