過去20年間で、60億台以上のデバイスがインターネットにつながるようになりました。携帯電話や車、住んでいる家、果ては人体にいたるまですべてがつながっています。これらのつながる「モノ」(つまり「モノのインターネット(IoT)」と呼ばれています)が、日々250京バイト以上のデータを生み出しています。32GBのiPadにして575億台分の容量のデータ量であり、人間の力では到底そのビジネスインパクトを推し量ることはできません。
セールスフォース・ドットコムは昨年、IoT Cloudを発表しました。これによって企業は、リアルタイムで膨大な量のデータを分析して顧客対応につなげることができるようになりました。昨年1年間で、セールスフォース・ドットコムは、最も柔軟性と拡張性の高いデータ処理エンジン、「Thunder」をはじめとする製品の機能強化を行いました。これによって、パイロットプロジェクトで採用しているEmerson Climate TechnologiesやKuka Roboticsなどでは、数十億のデータポイントを顧客、パートナー、社員がつながるための体験へと変えることに成功しています。
そして、ここで次世代のSalesforce IoT Cloudである、IoT Cloud Einsteinをご紹介いたします。
IoT Cloud Einsteinにより、セールスフォース・ドットコムのお客様は、新たなAI(人工知能)プラットフォームをベースにしたサービスと自身のIoTデータを組み合わせて、まったく新しいIoTイノベーションの波を作り出すことができるようになります。
PredictionIOとSalesforce IoT Cloudはともに、KafkaやSpark、StormのようなオープンソースのApacheフレームワーク上で動作します。これら2つのサービスを統合することで、開発者は自らのIoTデータやロジックを活用することでシームレスに連携することができる、独自のインテリジェントアプリケーションを開発することができます。
お客様は、PredictionIOやIoT Cloudのようなサービスを統合することで、AIアルゴリズムにデータをストリーミングすることができるようになります。そうしたAIアルゴリズムは、サービスやアップグレードで得られる利点を必要とするコネクテッドデバイスの傾向を示すスコアデータを提示できるようにトレーニングすることができます。
IoT Cloudは、セールスフォース・ドットコムのCRM製品と直接連携することで、IoTデータを処理するだけでなく、社員や顧客が必要とするアクションをコネクテッドデバイス上で提示するためのシナリオを特定するように設計されています。IoT Cloud Einsteinにより、IoT Cloudは次のベストアクションを提案できるようになります。たとえば、特定した利用パターンに固有のマーケティングジャーニーを展開したり、類似のケースを迅速に解決して顧客満足度のスコアで高く評価されているサービス担当者にケースをインテリジェントに割り振ったりすることができます。
修正アクションを提示できるということは、インテリジェントなIoTにおいて強力なステップとなります。セールスフォース・ドットコムではさらに、お客様が自身のIoTデバイスで構築しているジャーニーを、IoT Cloud Einsteinのテクノロジーで最適化していく予定です。デバイスのジャーニーに関するデータがIoT Cloud Einsteinに取り込まれることで、IoTデバイスの操作を制御するルールを最適な状態でアップデートするプロセスを自動化します。これにより、お客様は、IoTのユースケースを反復できるようになり、ビジネス価値をすばやく実現することが可能になります。
(原文:IoT Cloud Einstein: A Farewell to the Internet of (Dumb) Things By Woodson Martin)
参考:
Improving Decision Making in the World of Big Data(Forbes MAR 25, 2012)
Gartner Says 6.4 Billion Connected "Things" Will Be in Use in 2016, Up 30 Percent From 2015 (Gartner November 10, 2015)