ミレニアルズという言葉をご存知でしょうか。定義によって異なりますが、一般には 1980 年代から 2000 年初めまでに生まれた若者の世代を指します。インターネットが身近に存在し、スマートフォンを操る彼らの嗜好は、今までの世代と大きく違うことで知られています。ここでは彼らを理解する上での 3 つのキーワードとともに、この世代の嗜好を紐解いていきたいと思います。
Facebook などの SNS の普及により、「シェア」という言葉が広く認知されるようになりました。そして「シェア」という概念は、近年では SNS の世界のみではなく消費者の行動形態としても大きく脚光を浴びている考え方でもあります。これまでの消費者の行動は、物を買うなどをして「所有」することが一般的でした。しかし、1980 年ごろ ~ 2000 年初めに生まれた「ミレニアルズ(Millennials)」という若者の世代は、「所有」するための無駄やリスクを少なくし、「共有」するという消費行動を取るようになってきています。具体的には、利用者は物を所有することなく、利用したい時だけ利用することがより一般的となっているのです。このようなサービスを「共有型経済」もしくは「シェアリングエコノミー」と呼んでいます。
ミレニアルズは幼いころからインターネットに慣れ親しんだ最初の世代であり、また働き始めた頃にリーマンショック(2008年)を経験した世代でもあります。
所有を必要としない世代に支持を受けたビジネスの代表格と言えるのが、2015 年 9 月に日本でもサービスがスタートした Netflix です。2015 年には会員数が世界で 6 千万人を超えるほどに成長した Netflix は、創業当初はオンライン DVD レンタル事業から始まり、今では動画ストリーミング配信事業をサービスの軸としています。動画を所有せずに利用したいときだけ利用する、といったニーズを持つユーザーを中心に、会員数を増やしていきました。サンドヴァイン社の調べによると、北米で、いわゆるゴールデンタイムにインターネットを接続している人の 36.5% は、Netflix を利用するためだそうです。動画ストリーミング配信事業として、いまや Youtube さえをも凌ぐと言われている Netflix の人気を支えているのは、動画を見た後に出てくる「オススメ動画」の機能です。Netflix の視聴の多くは、この「オススメ機能」を経由していると言います。
ミレニアルズ世代の消費の特徴として、「所有せずに、利用したい時だけ利用する」ことや「納得したものに対して消費行動をとる」ことに起因して「オススメを重視する」ことが挙げられます。また、SNS などに精通している経験から、消費行動においても体験を「シェア」することも特徴して挙げられるでしょう。
マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した 20~39 歳のビジネスパーソンへの調査によると、出世の意向について、「出世したくない」と答えた人の割合は 59.2% となり、「出世したい」と答えた人の割合(40.8%)を大きく上回る結果となりました。ここ数年、出世意欲に関する低下は叫ばれてきましたが、ますます顕著な結果が現れてきたと言って良いでしょう。
出世したくない理由として
が挙げられています。右肩上がりの経済を一度も経験したことがなく、不況のなかで上の世代を見つめてきた、彼らならではの視点でしょう。
米国の 10 代では Snapchat というアプリケーションが人気となっています。人気の理由は、送った後の画像が最大 10 秒で相手のスマートフォンから消えるから。つながりたい、だけど重い人間関係は欲しくないという理由が反映しているものと言えそうです。
実は、日本でも同じような傾向が見られています。電通総研の調査によると、大学生や高校生、20 代の若手社会人の Twitter ユーザーが、複数の Twitter アカウントを使い分けているとの調査結果が見られました。Twitter に登録していると回答したユーザーのうち、高校生では、平均 3.1 個、大学生では 2.5 個、20 代社会人で 2.7 個のアカウントを保有しているそうです。
Twitter の利点は、実名制ではなくて、公開・非公開を選択可能で、つながる距離を適度に図れるところ。ブログのようにオープンに綴るアカウント、クラスや友人とつながるためのアカウント、趣味のアカウントなどと利用目的に応じてつながるようです。
こういったミレニアルズ世代の心をつかむにはどうしたら良いのでしょう?ひと昔前の消費経済で培ってきた方法ではリーチしづらい存在となっています。接点となるのが、やはりモバイルとソーシャルメディアです。
Salesforce の「Marketing Cloud」であれば、LINE をはじめとして、Facebook、Twitter、そして最近では Instagram といった主要なソーシャルメディアと連携しています。
One to One マーケティングで、ミレニアルズとの距離感を大切にしつつ、コミュニケーションを取ることが企業に求められています。
参考: