ペット関連産業の市場規模は、実はそば・うどん店の市場規模、すし店の市場規模よりも大きいということをご存知でしょうか。一般社団法人 日本フードサービス協会の調査によると、2013 年のそば・うどん店の市場規模は約 1 兆 1,500 億円、すし店は 1 兆 3,500 億円だったのに対し、矢野経済研究所の調査によるとペット関連産業の市場規模は約 1 兆 4,000 億円とされています。またペット産業は 2009 年度から着実に拡大していっており、2015 年度も引き続き市場の伸長が予想されています。市場を牽引しているのはペット保険や動物病院などのサービスが主であると分析されており、飼い主がペットを 家族の一員として大切に思う気持ちが市場規模に現れていると言えるでしょう。
ペットサービスでの重要なことは「信頼性」
ペットの家族化が進む中で、飼い主のペットサービスへの期待も、サービス提供者が信頼できるかどうかなどの「パーソナリティ」の側面に重きが置かれています。
ペット総研による動物病院選びの基準に関する調査では、動物病院を選ぶ基準として「信用できる獣医師」がトップ、次点で「説明が丁寧」となっており、信頼 感や真摯さが重要視されていることが分かります。反対に「最新の医療設備」と回答した人は「信用できる獣医師」と答えた人の 4 割以下となっています。
飼い主がペットサービスに求めるものは、設備などのハード面よりも飼い主の考えを尊重してくれ、そして愛する家族であるペットのことを第一に考えてくれることがキーといえるでしょう。
クラウドサービスを用いた、ペット毎に合わせたサービスの提供事例
愛知県でペットサロンを展開する「Fun Place」は、Salesforce を利用したきめ細かいサービス展開により業界平均の 2 倍を超えるリピート率 90% を達成しています。
ペットサロン業界では口コミやリピーターが成長の大きなカギを握りますが、同社はペットの犬種や病歴、シャンプーの種類やハサミを怖がるかどうかなどの詳 細なデータを Salesforce 上で管理し、次回来店時のサービス向上につなげています。Salesforce はクラウドサービスであり、同系列の違う店舗ともデータ連携を簡単に行えるため、どの店舗でも質の高いサービスを提供することができます。さらに来店率の 高い犬種を分析し、専用のトレーニングを従業員に行うなど、組織運営の質の向上にも応用しています。
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SureFlap 社の家族ネコ専用ドアと IoT
SureFlap 社は従業員が 40 名という企業規模ながら、販売先はヨーロッパ全土、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドとグローバル展開を遂げています。この会社は CEO の Nick Hill 氏が飼っていたネコのフリッパー向けネコ用ドアの開発がきっかけとなっています。普通のネコ用ドアだと、よそのネコも家に入ってきてしまうため、その対策 としてフリッパーが身につけていたマイクロチップを利用して、自分のネコだけが通れる専用ドアを開発したのです。この技術は現在、家のドアだけでなく、 ペットのエサやりにも技術が応用されています。今後は IoT を利用してネコの出入りをチェックできるアプリを提供していく予定です。
この企業を支えるシステムとして導入されたのが、Sales Cloud、Marketing Cloud、Analytics Cloud です。Sales Cloud を利用して、電話やメール、ソーシャルなど様々な顧客との連絡方法を一括してやり取りし、そのやり取りで得た顧客情報を Marketing Cloud 上でマーケティング活動に利用しています。また多数ある拠点間のコミュニケーションをうながすため、Chatter が利用され、離れた地域にいても経営陣は Analytics Cloud を利用することで瞬時に経営情報にアクセスすることができるのです。同社では Salesforce 導入後、事業規模が 40 倍に成長しました。
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ペットに対しても One to One マーケティングを
ペット関連業界は 1 兆 4,000 億円を超える巨大産業ですが、ペットの家族化が進むことでサービスへの期待としてよりパーソナルな要素が求められています。Salesforce を利用すれば、人間だけでなく、ペットとも新しいカタチでつながることが可能になり、「ニャンダフル」な関係を築くことができるのです。
参考文献：
- 一般社団法人 日本フードサービス協会 平成 25 年外食産業市場規模推計について（2014 年 6 月）
- 株式会社矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査結果 2014」（2015 年 1 月 23 日発表）
- ペット総研 アンケート調査結果: 動物病院を選ぶ基準（2011 年 12 月 26 日）
