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一部の企業がその必要性を重視しているマスクの微妙な問題について、著名な医師であるDavid Agus博士にお話を伺いました。
著名な医師であるDavid Agus博士に出社再開に向けての注意点を聞いたインタビューシリーズの第3回です。最終回となる今回は、今後も多くの人がマスクを着けることになる可能性についてAgus博士の見解をお届けします。私たちは今後ずっとマスクを着けることになるのでしょうか?永遠に続くことはないでしょうが、しばらくの間は着用が推奨されています(英語)。また企業によっては、マスク着用の強制は個人の権利を侵害するという意見(英語)があっても、マスクの着用を義務付けることがあるでしょう(その一方で従業員のマスク着用を禁止したことで、また別の厄介な問題が起きている企業もあります(英語))。
今回の記事では、オフィスでのマスク着用に関して今後予想されることと、推奨事項について、Agus博士の考えをご紹介します。以下は博士とのやり取りの抜粋ですが、内容や論旨をはっきりさせるため、一部編集してご紹介します。
非常に難しい質問です。おそらく12か月から18か月は必要になると思います。ただ、先日オックスフォード大学から、ワクチンに関する非常に心強いデータが発表されたため、2020年秋にはワクチンの提供が始まることになりそうです。つまり、数か月後には集団免疫への道が開けるでしょう。
科学的な見地から見ると、人々が新しい日常に慣れるまでに12か月から18か月はかかるでしょう。ただその間に、新たに可能になることがあると思われます。私は非常に楽観的な見方からこのようなことを申し上げています。今は希望が出てきています。データと科学がその希望を後押しします。
従業員がマスクを抵抗なく着用していられる環境を整備する必要があります。また、マスクを着用できない人が一部出てくるはずです。たとえば、1日中電話で話す仕事をしている人は、マスクによって言葉が聞き取りにくくなるため、マスク着用は難しいでしょう。こうした人たちが他の人に感染を広げずに電話を使える環境の用意が必要です。
マスクをするのは自分のためではなく、他の人のためです。ですから、少し強権利的なやり方で職場環境を見直す必要があります。
まとめると、マスクの着用は新型コロナウイルス感染症の拡大を止めるさまざまな方法(英語)のうちの1つです。マスクは快適さやオシャレとは程遠いものですが、またたく間に自己表現の手段になりつつあります(英語)。企業がオフィスの安全な再開方法を模索するなかで、さまざまなルールが時間と共に変わっていくでしょう。しかし今のところは、マスクを着用するのが賢いやり方です。
今回の記事は、新型コロナウイルス対策についてAgus博士にお聞きしたインタビューシリーズの最終回です。第1回は健康が職場に与える影響、第2回は接触者追跡の必要性について取り上げています。ぜひ併せてお読みください。
[画像: Flickr/Jernej Furman]