注意:この記事は、Salesforce Sustainability Cloud(現在はNet Zero Cloudに名称を変更しています)について言及しています。Salesforceのサステナビリティソリューションの最新情報は、こちらの製品ページをご覧ください。Salesforceのサステナビリティへの取り組みに関する最新情報は、こちらのページをご覧ください。
スイスの山岳リゾート、ダボスにて、毎年冬に開催される世界経済フォーラムの年次総会。今年も、世界中のビジネス、政府、市民社会のリーダーが一堂に会し、喫緊の対応が求められるグローバル規模の課題について議論しました。
セールスフォース・ドットコム経営陣も会議に参加し、企業がビジネスを通じて社会変革をもたらす可能性について、世界の名だたるリーダー達と話し合いました。この記事では、今年のダボス会議での注目セッションの中から、印象深いコメントをいくつかピックアップしてご紹介します。
クリックすると、ランチセッションのハイライト動画(英語)を視聴できます。
セールスフォース・ドットコムの会長 兼 創設者 のマーク・ベニオフは、第4次産業革命におけるリーダーシップをテーマにトークセッションを主催。パネリストとして、YouTubeのCEO、Susan Wojcicki氏、人類学者で慈善活動にも取り組むJane Goodall氏、ミュージシャンで起業家のwill.i.am氏、アクセンチュアのCEO、Julie Sweet氏、アーティストで慈善活動家のLukas Nelson氏が参加しました。
パネリスト達のコメントをいくつかご紹介します(上にある動画で、セッションのハイライトをご覧いただけます)。
世界経済フォーラムとセールスフォース・ドットコムを始めとするパートナーは、1t.orgというイニシアチブを立ち上げました。これは、さまざまなステークホルダーが協力して、2030年までに世界中で1兆本の木を育て、再生し、保全する活動をサポートするというものです。大規模な森林再生は、気候変動対策として不可欠であると同時に、生物多様性の確保に貢献し、人々の生活や持続可能な開発を進める上でも多くのメリットをもたらします。
1t.orgイニシアチブは、マーク・ベニオフとリン夫人による資金援助を受けて、活動を開始しています。世界経済フォーラムを設立し、主宰するクラウス・シュワブ氏は、次のように述べています。「気候変動や生物の多様性、持続可能な開発の目標を達成するには、次の10年でこれまで以上の協力体制が必要になるでしょう。1t.orgには、地位や職業、世代を超えてあらゆる人々が協力し、地球レベルの大きな目標を達成できる例として重要な意味があります」。
マーク・ベニオフも迅速な取り組みが必要であることを強調しています。「私たちは地球規模の気候変動に直面しています。樹木は二酸化炭素を吸収し、気候変動による悪影響を食い止めるために非常に効果的です」。さらに、ベニオフは「セールスフォース・ドットコムは1t.orgのミッションを支持し、今後10年で1億本の樹木の保全と再生を支援するという目標を立てた」と発表しました。
セールスフォース・ドットコムでは、1兆本の植樹がもたらす効果と、気候変動対策で企業が果たすことのできる役割について、本分野で研究を進めるTom Crowther氏にお話を伺いました。Crowther氏のインタビュー記事はこちらから、1t.orgの記者会見はこちらからご覧いただけます。また、プレスリリースはこちらで公開しています(一部英語)。
ダボス会議でリスキル革命の記者会見に臨むマーク・ベニオフ
ダボス会議のリスキル革命に関する記者会見では、次の10年で10億人の人々に高度な教育とスキルアップの機会を提供し、安定した雇用を創出する共同プロジェクトについてパネリストが話し合いました。マーク・ベニオフも議論に参加し、米国大統領補佐官のイヴァンカ・トランプ氏、世界経済フォーラムのリーダー、デンマークの雇用大臣、高等教育の専門家と意見を交換しました(記者会見の完全版はこちら)。
「すべての人々が第4次産業革命の波にうまく乗るためには、成功に向けた教育とスキルアップが必要です。私は「リスキル革命」に大きな期待を寄せています。」とマーク・ベニオフは述べています。
1月21日、ダボス会議で世界経済フォーラム創設者クラウス・シュワブ氏、シーメンス、IBM、Bank of America、DSMの経営陣とステークホルダー資本主義について議論するマーク・ベニオフ。
マーク・ベニオフが世界経済フォーラムの創設者、クラウス・シュワブ氏とともに登壇したパネルセッション。シーメンスの会長、Jim Hagermann Snabe氏、IBMの会長兼CEO、Ginni Rometty氏、DSMの会長兼CEO、Feike Sybesma氏、Bank of Americaの会長兼CEO、Brian Moynihan氏で構成されるパネルにて、ステークホルダー資本主義と企業のリーダーシップについて議論しました。
ベニオフは企業のすべてのステークホルダーを重視する新しい資本主義が必要であることを説き、「ステークホルダー資本主義」が株主の利益を高めるだけではなく、社会全体にプラスの影響をもたらすことを訴えました(セッションの動画はこちら(英語))。マーク・ベニオフの発言より、一部を抜粋してご紹介します。
「第4次産業革命において企業が目指すべきなのは、すべてのステークホルダーに価値をもたらすことです。これには、従業員のために闘うということも含まれます。従業員が差別を受けていれば、差別をなくすために闘うことになるでしょう。当然のことながら、顧客のためにも闘わなければなりません。さらに、ホームレスも、私たちのコミュニティのステークホルダーです。すべてのCEOには、あらゆるステークホルダーのことを考える責任があります」
「企業がすべてのステークホルダーの役に立てれば、ビジネスは世界を変えるためのプラットフォームになると確信しています。米国でも、ようやくステークホルダー資本主義の気運が高まってきました。ビジネス・ラウンドテーブル(主要企業が名を連ねる米国最大規模の経済団体)は、株主だけではなく、すべてのステークホルダーに対して貢献するのを目指すことも企業の重要な役割だと宣言しています。どちらかを1つだけを選ぶというのは、間違った選択です」
「セールスフォース・ドットコムは、ステークホルダー資本主義が機能することを身をもって証明しています。これは、クラウス氏の助言のおかげでもあります。セールスフォース・ドットコムは驚異的な利益を株主にもたらしています。時価総額は1,650億ドルに上り、2004年の株式公開以来、4,000%のリターンを達成しています。そして、ステークホルダーにも大きく貢献しています。社会のさまざまな問題を解決するために、これまで3億1000万ドルを寄付し、従業員はのべ450万時間を地域コミュニティのボランティア活動に捧げています。また、世界経済フォーラムを始めとする4万5,000の非営利団体やNGOに、Salesforce製品を無償で提供しています」
1月21日、ダボス会議でPayPal、Ericsson、NetHope、Lumi Labsの経営者とデジタルエコノミー構想について議論するキース・ブロック
セールスフォース・ドットコムの共同CEO、キース・ブロック(肩書きは会議当時)が登壇したセッションでは、PayPal、Ericsson、NetHope、Lumi Labsのリーダー達と、未来のデジタルエコノミーのあり方についてパネルディスカッションが行われました(セッション全体の動画はこちら(英語))。キース・ブロックの発言の一部をご紹介します。
「私たちは破壊的変革の世界に生きています。クラウド、ソーシャル、モバイルテクノロジー、IoT、人工知能、機械学習、量子コンピューター、エッジコンピューティングなど、さまざまな領域で変革が進んでいます。この競争はまだまだ続くでしょう。毎日のように新しいテクノロジーが生まれています。とても刺激的な時代だと思います」
「人々がテクノロジーを駆使するデジタル変革の時代です。変革はデジタルにとどまりません。B2B、B2Cを問わず、企業文化や組織、ビジネスモデルにも変革が起こっています。私たちの業界だけでなく、あらゆる業界にとってエキサイティングな時代です。CEOは、最高変革責任者になることを求められています」
「AIはあらゆる業界で広がっています。ヘルスケアに、金融サービス業界では資産管理に、通信やメディアでもAIが普及しています。あらゆる場所で活用されているので、Salesforceもお客様のEinstein(SalesforceのAI製品)のユースケースから毎日、新しいことを学んでいます。B2CでもB2Bでも、お客様はさまざまなアイデアであらゆる職種にAIを導入しようとしています」