Appleのウェアラブルデバイス「Apple Watch」が発売されました。Apple Watch登場によりウェアラブルデバイス市場が本格化すると予想されており、セールスフォース・ドットコムもいち早くビジネスユーザー向けに「Salesforce for Apple Watch」を発表しました 。ウェアラブルデバイスの登場で情報へのアクセスがより身近になり、ビッグデータと連携したビジネスへの活用が期待されています。
ここ数年、身に着けて利用する「ウェアラブルデバイス」に注目が集まり、多くの製品が市場に投入されています。その中でも、タッチパネルを搭載した スマートフォン「iPhone」を定着させたAppleの動向は、ウェアラブルデバイス普及の起爆剤になるのではないかと多くの人々の関心を集めていまし た。実際、最近のIDCの調査結果でも、ウェアラブルデバイス市場は、Apple Watchをはじめとした腕装着型を中心として、今後年平均45.1%で伸び、2019年には1億2610万台に達する成長市場と見込まれています。
スポーツシーンなどの健康目的での利用イメージがあるウェアラブルデバイスですが、ビジネスにおいても利用され始めています。ウェアラブルデバイス の情報伝達機能を活かした遠隔地での航空機整備や、外科手術での医療支援などです。モバイルと異なり、ウェアラブルデバイスはより小型・軽量化しているた め、音声認識や、画像認識、センサーなどの入力方法を取ることになり、特性を活かしたビジネスでの利用方法が検討されているのです。
現在存在するデータ量の約90%がここ2年間で増加したものだといわれています。爆発的な情報量の増加は、B2C、B2B問わず、顧客の購買行動に 大きな変革をもたらしました。顧客はモバイルやソーシャルメディアを通じて毎時新しい情報に触れて意思決定していくため、年次計画や中長期計画を立てて も、最早役には立ちません。この変化に対応するためには、流動的な顧客動向を常に察知して、素早くビジネスの判断をすることが重要になっています。
一方で企業は、顧客からの日々膨大なメッセージをデータとして受け取れるようにもなりました。ひと昔前であれば、このようなビッグデータを分析する ためには、ビジネスインテリジェンス(BI)と呼ばれる分析ソフトウェアを用いたうえ、分析を行うデータサイエンティストが必要でした。しかし最近では Salesforce Analytics Cloudのように、専門家でなくても視覚的に簡単に分析が行えるソフトウェアが登場してきています。
Salesforce Analytics Cloud for Apple Watchならクラウド上でいつでもどこでも、リアルタイムにビッグデータをセキュアに抽出することが可能です。またデータサイエンティストのような専門 的な知識がなくとも、マーケティングや経営企画のほか、営業、サポートなど、どの部門でも利用できます。全ての人々が膨大なビッグデータをリアルタイムで ビジネスに活かすべき時代が来ているのです。
このようにビジネスの現場で活躍が期待されているウェアラブルデバイスですが、企業が利用するに当たっては大きな課題があります。それは多様なウェ アラブルデバイスが存在することです。業務アプリケーション開発にあたって、多様な端末に対応しつつ、メンテナンスしていくのは容易なことではありませ ん。セールスフォース・ドットコムでは、Salesforce Wear Developer Packというウェアラブルデバイス向けのアプリ開発キットを提供してマルチデバイス対応に取り組んでいます。企業がウェアラブルデバイスを活用して業務 を行いたい場合、どのようなプラットフォームを選ぶのかということも視野にいれておくことが必要です。
出典:Worldwide Wearables Market Forecast to Reach 45.7 Million Units Shipped in 2015 and 126.1 Million Units in 2019, According to IDC, 30 Mar 2015